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ダンスミュージックシーンにおいて国内で絶対的存在感を放つパーティ「Back to Chill」の主要レギュラーを務めるプロデューサー/DJ である「ENA」氏に、SoundRadix SURFER EQ という「周波数可変型イコライザー」を使用して頂き、インタビューを受けて頂きました。
ENA 氏は、ダンスミュージックの中心地であるヨーロッパ各国の主要アーティストからサポートを受け、毎年海外ツアーをこなし、リリースは現状全て海外有力レーベルからのリリースと、その楽曲やパフォーマンスは間違いなく世界レベルのプロデューサー。
一方、クラブミュージックだけにとどまらず日本国内のテレビや情報誌でも露出の多いJ-POP,TV-CM等の楽曲の作曲・編曲などを手がけ、また、DTM情報誌や国内ブランドからのオファーにより、トラックメイキングについてのエンジニアリング取材や製品レビューに答える等、サウンドエンジニアリングについても確かな技術と高い評価を得ている方でもあります。
そんなENA氏への今回のインタビューでは、単なる製品レビューにとどまらず、楽曲を制作する際のテクニックなどもお伺いする事ができました。
クラブミュージックに関わるクリエイター、特に超低域(サブベース)を扱うベースミュージックシーンのアーティストにとって必見の内容となっております。
Drum&Bassから派生した独自な音楽の評価が高く、Loxy、Surgeon、Mu-Ziq、Peverelist、Pangaea、Laurent Garnierなど、ジャンルを問わないTopDJからのサポートを受け、Resident AdvisorのPodcastに自身の曲を中心としたMixを提供。多数のレーベルからリリースを重ねると同時に、楽曲のクオリティの高さからミキシング/マスタリングの評価も高く、様々な作品にエンジニアリングでも参加。2013年には7even Recordingsからアルバム"BILATERAL"をリリースし、日本全国、アジア、ヨーロッパとツアーを成功させると共に、今最も注目されているレーベル"Samurai Horo"のコンピレーション作品"Scope"に2曲提供。2014年3月には"Bacterium EP"を同レーベルから発表し、10月にはヨーロッパツアーと共に2ndアルバム"Binaural"がリリースされる。
more info : http://flavors.me/ena_
非常に自然な効果を施せるナチュラルなEQ だな、と思いました。正直使ってみるまでは、「周波数可変EQ」なんていうので、飛び道具的要素が強いEQ なのかな?とか思っていたのですが、実際は全然「普通に使えるEQ」だと思いました。
というのも普段は、SONNOX EQ を使っているのですが、そこから比べてもそう感じたからです。
SONNOX EQ の方が、よりナチュラルで「ツール感」の強いEQですが、そういう精巧なEQ って何でも出来る分、使いこなすには楽曲の前後・時間軸とかも考えた上での知識と経験が必要になってくる。
例えば、どうしてもこの帯域を持ち上げたいと考えたとき、楽器のフレーズによって「変なピーク」が出来てしまう、、って事は良くある事だと思うんだけれども、そこに気付いて対処が出来るかどうか、という知識と経験というか。だけどもSurfer EQ ではナチュラルな設定の上で、時間軸に対しても可変をしてくれるので、そうした変なピークが出来難く、EQ感が出ないナチュラルなイメージで仕上げられるな、と思いました。
全然(笑)。製作ではCUBASE を使っているんですけど、普通のEQ と同じくらいの負荷だと思うし、周波数が「付いてくる」のが不自然とか遅いとか全く感じませんでした。SURFER EQ のトラッキング感度の設定とかも全部デフォルトのままで使ってますけど。。。DAW 何使ってますか?
って事は大丈夫なんでしょう(笑)自分の環境でも遅延補正は動いているけども、遅延補正を大きくしたとかそういう事は何もしていないですからね。
普通のEQ と比べれば、ちょっと慣れない名前がありますよね。でも、全く困る事無く使えました。
SURFER EQ を送ってくれた後、ちょっと時間が経ってから「マニュアル渡す
の忘れてました!」って連絡貰ったじゃないですか(笑) その前までも全然普通に使えたし、マニュアルも一通り目を通したけど「あぁ、そうだよね」って事が書いてあるって感じでしたし。
やっぱりSURFER EQ のいい所って当然「周波数可変」だと思うんですよね。
その周波数可変っていうのは、「動くフレーズに対して、ラインをはっきりとさせる」という処理をする際に凄く使い易くて。
例えば、808 のキックで、余韻が下に落ちていくような音ってあるじゃないですか?この手の音は、アタックはハッキリ出るのに「音が落ちていく」ニュアンスが、ぼんやりとしていて掴めない感じになる事が多いのですが、普通のEQ でライン目立つように音作りをしたところで、結局「EQ でターゲットしている周波数」から「808 の余韻の音程」が外れた時点で、不要なEQ が発生するだけになってしまう。
だけどもSURFER EQ だと音程に周波数が付いていくから、アタックからリリースしきるまで、ムラなくラインをはっきりさせる、という事ができるので、単なる飛び道具なんかじゃなくてしっかりとした道具として有効でした。
「ラインをはっきりさせる」ために軽くディストーションなどで歪ませるような事をする場合もあるんですが、そうした場合だと中域が足されるので、音程がはっきりする。それに低音があまり出ないようなクラブでも、ベースのラインが聞こえなくて音楽が変わってしまうって事になりにくくなる。勿論、歪ませると音は変わってしまうから、どこまでやるか、って所は気をつけないといけないのですが、SURFER EQ はイコライザーだから、歪んで音が変わるというような事は起きない。上手くいけば、音をあまり脚色させずに、普通のEQでやるよりもハッキリとした音が作れます。
そうですね。例えでは808をベースに使う事を出しましたけど、ドラム系サンプルには音程が変化している物が意外とあるし、生ドラムでもフロアタムとかは音程が微妙に動いたりするから、使えるケースは多いと思います。
あと、フィルターのレゾナンス的な利用にも最適だと思います。
フィルターって、レゾナンスと一緒に使う事によって倍音と言うか、新たに音程を作る事が出来るので、それの応用的な感じで捉えてもらえると分かり易いと思いますが、Padだったり広い帯域で音が出ているサンプルに対してSURFER EQ でピークを作って、あとはSURFER EQ にMIDI を受けさせると、メロディと言うか、その音色に少し動きがだせたりします。
MIDI ノートだと正確な音程を狙えるから、普通のEQ とかフィルターにオートメーションを書いて音程を作るとかよりも楽です。
あとフィルターってプロセッサーごとにキャラクターがあるけど、SURFER EQ だと単なるEQ だから、レゾナンスとは違った音になる。
あとは、サンプラーでやるようなエンベロープとフィルター、レゾナンスを使った様な事も、SURFER EQだとインサートで出来るので、オーディオに対してでもMIDIノートを変更するだけでフレーズだとかの変更が簡単に出来ます。
written by toshiyuki kitazono.