2024年10月7日22時32分 代理店からそのメールは届いた。
「ADAM Audioのサウンドを最小サイズで実現するモニタースピーカー「D3V」誕生」
と銘打たれていた。
2024年10月18日(金)リリースパーティが開催されたので、その実力を確認しに赴きました。
もくじ
届いたメールを見る限り、
・サイズ感
・傾斜をつけるためのスタンド
・ブラック/ホワイトのカラーバリエーション展開
明らかに IK MULTIMEDIA iLoud Micro Monitor を意識していることがわかります。
しかも販売価格が税込みで43,000円(税込)。
現在iLoud Micro Monitor は税込みで60,500円(税込)なので、かなり安い!。
期待はしますが、「実際に音を聴かないと判断できないな」と思いました。
代理店の営業担当者に、「iLoud Micro Monitor に対抗できる音質ならば期待できますね」とメールしたところ、
「音質ははっきり言ってiLoudの比ではありません。
低域の再現性、全体的な解像度、音質についてどこも劣る要素がないです。」
と自信満々の返信が届きました。
「まぁ自社の取り扱う製品ならそう言うよな・・・」内心そう思いました。
iLoud Micro Monitor は良い製品だと思います。
価格とサイズを超えたその音質は高く評価され、実際に持ち歩いて使用しているエンジニア諸氏も多くいらっしゃいます。
個人的にも、会社と自宅で実際に使用しています。
JBL の104シリーズが出た際に、広告展開も含めて、かなりもてはやされました。
しかし、価格の差ももちろんありましたが、iLoud Micro Monitor とは明らかな性能の差がありました。
KRK のGoAUX は結局試聴しませんでしたが、あれはどうだったのでしょう・・・。
10月12日(土)「18日に試聴イベントを開催します」との案内が届きました。当初行けない予定でしたが、21時までやっているというので、急遽当日に参加を決めました。
会場に到着して早速試聴室へ向かいました。かなりの大音量で鳴っていることが部屋の外からもわかります。
「複数のペアで鳴らしているのか?」
12畳程度の薄暗い部屋に入って思わずサブウーファーを探しました。実際には、D3V がマイクスタンドに1ペアだけ設置されていました。
「サブウーファーは・・・、ない」
そのサイズから想像される音量・音質を遥かに超えています。少し脳がバグる・・・。
これが第一印象です。部屋が少し暑い。
エアコンが働いていないようですが、エアコンの作動音で試聴環境に影響を与えないための配慮であるとすぐに思い至りました。
前のお客さんが試聴中。
エレクトロニックな曲でした。
音がデカいので、その間WEBサイトで仕様を確認したら、片方のチャンネルで出力が120W(!)、ペアで240W(実効値で200W)とのこと。音がデカいはずだ!。
前のお客さんが退出したので、個人的に試聴を開始。
音が大きすぎたので、デスク前に行き通常モニター音量に下げました。
・Come Away with Me / Norah Jones
・Get Luckey / Daft Punk
代理店担当者の言葉はウソではありませんでした。
モニタースピーカーとしての資質・基準は十二分に満たしています。
音は良く見えます。
エレキベースの周波数帯が若干ブーミーに感じましたが、曲やセットアップで違いはあると思うので、全く問題にならない範囲です。
※音を言葉で書くのはナンセンスだと思っているので、機会があれば是非聴いてみてください。
後のお客さんが来たので、10分足らずの試聴でしたが、可能性は十二分に感じることが出来ました。
「もっと聴いていたい」
間違いなく「買い」の製品です。
周波数特性:45 Hz – 23.2 kHz(-6dB)/ 48 Hz – 22.6 kHz(-3dB)
総合システム出力:240W Peak / 200W RMS(ペア)
低域出力:80W Peak / 70W RMS(1台)
高域出力:40W Peak / 30W RMS(1台)
クロスオーバー周波数:4kHz
寸法(mm):高さ200 x 幅115 x 奥行150 (スタンド使用時は高さ240)
重量:1.85kg + 1.73kg(梱包重量5.6kg)
iLoud Micro Monitor との比較も含めたポイントは・・・
・大きさはiLoud Micro Monitor よりも「ひとまわり」というか「0.5まわり」くらい大きいイメージです。
・TRSでのバランス入力
接続する機器によっては、バランスで接続可能です(iLoud Micro Monitor はRCAまたはステレオミニでのアンバランス入力のみ)。
※2024年12月15日追記
TRS 端子でのバランス入力が前提のため、TS PHONE 端子で音源機器接続すると充分にレベルが上げられませんでした。
TS PHONE やRCA 出力のオーディオインターフェイスをご使用の場合は、注意が必要と思われます。
出力機器側で充分なレベルで出力出来ない機器の場合は適切なモニターレベルを得られないかも知れません。
・USB-C 経由での再生が可能
この点、オーディオインターフェイスが無くてもDAWからプレイバックできるので、システムとしてミニマムで良いのですが、例えばWindowsで使用した場合に、レイテンシ的にMIDI鍵盤での演奏などに対応できるのか、後日要検証ですね。
Mac はCore Audio であまり問題にならないように思いますが・・・。
・Bluetooth は搭載していません
iLoud Micro Monitor はBluetooth で手軽に使えるので、リスニング主体で使いたい場合にはとても重宝します。
・電源スイッチはありません(2024年12月15日追記)
iLoud Micro Monitor にはあります。が、D3Vは一定時間無音状態が経過するとスタンバイモードに入ります。
iLoud Micro Monitor には電源スイッチはありますが、スタンバイにはならないので、この辺りは好みで違ってくるかも知れません。
・パッシブラジエーターが強力
iLoud Micro Monitor も「サイズを超えた低音」だと思いますが、低音再生についてはその上をいってます。
本体の左右でかなりブルブル震えているので、周囲にモノを置く場合には要注意かもです。
・便利なボリュームノブ (2024年12月15日追記)
複数機能のボリュームノブが便利です。
ボリュームノブでミュートしたり、スタンバイからの復帰、あと、左右の入れ替えは設置の際に便利な機能ですね。「こっち側に置けたら、ケーブル届くのに・・・」みたいな場合とか。
・ヘッドフォン端子付き
フロントにヘッドフォン端子が装備されています。コレ、意外と便利かも。
・重量
iLoud Micro Monitor はペアで1.72Kg と軽量。専用キャリングバッグも発売されており、持ち運びエンジニアさんがいらっしゃるのも頷けます。
対してD3Vは、そのほぼ倍の重量。側面に柔らかいパッシブラジエーターがあることを考えても、持ち運んでの使用はあまり現実的ではないかも・・・。
「音」はあくまで好みなので、100%はあり得ませんが、検討されている方は手にしてみて問題無いと思います。
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