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インスタコードを「イイ音」でレコーディングする [mtr編]

 11月(2021年)にご紹介させていただいた インスタコード いかがでしたか?。
 とても多くの可能性を秘めた楽器だと思います。

指1本で弾ける楽器 「インスタコード」とは?

 いま、YouTube などで[ インスタコード ][ InstaChord ]などで検索すると、たくさんの演奏動画がアップロードされています。

 でも、スマートフォンのカメラと内蔵マイクで録画されたと思われる動画も多く、音質的にちょっと残念な作品も見受けられます。
 そこで、今回はインスタコードの音を「より良い音」で録音する方法をご紹介します。

もくじ

■マルチトラックレコーディングとは?

 さて、一般の方は案外ご存じないんですが、例えば巷で販売されているバンドのCDなどの音源はどのようにレコーディングされているのでしょうか?。

 例えばバンドが全員揃って「せーの」で演奏した音が録音され、それがそのまま販売される音源になることは基本的にはほとんどありません。
 現代のレコーディングは基本的に「マルチトラックレコーディング」という方法で行なわれています。

 「マルチトラックレコーディング」は、よく道路の車線や電車の線路に例えられますが、楽器のパート毎にバラバラの車線(トラック)に音を録音して、録音した後から各楽器や声のバランスを調整(ミキシング)して、最終的に商品となる2チャンネルステレオ(L左/R右)に仕上げられてようやく商品になります。

 この「マルチトラックレコーディング」を行なうことで、

●各楽器、声などを個別のトラックに録音して、後から適切なバランスに変更できる
●楽器演奏と歌唱を別々に行なうことで、よりよい演奏・歌唱ができる
●先に録音された音を聞きながら、他の楽器を追加録音できる
●演奏・歌唱の間違った部分だけ録音し直したり、部分ごとに良いテイクだけを使って1曲を仕上げることができる
●各楽器・声毎に、音質の調整や効果を後から追加することができる

 こういった多くのメリットが得られます。

 ここではまず、比較的安価に手軽にマルチトラックレコーディングが出来るマルチトラックレコーダー(MTR)を使った方法をご紹介します。
 昔はテープレコーダーでレコーディングを行なっていましたが、現在発売されているMTRでは主にSDカードなどにオーディオデータを記録します。

 使用できるトラックの数や、機能によって価格は様々ですが、BOSS / TASCAM / ZOOMなどのメーカーから各種発売されています。
 「パソコンはちょっと苦手だなー」とか「パソコンで録音するのは面倒だなー」という方にはオススメの方法です。

 今回は比較的最近発売されたばかりのZOOM R20を使って、インスタコードの音を録音する方法をご紹介します。

■インスタコードをMTRにつなぐ

 インスタコードをR20に接続します。
 接続するケーブルは、写真のようなケーブルです。家電量販店などでも入手可能です。

audio-technica ATL462A

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 INPUT 1(左)/2(右) に接続します。

 モノラルで録音する場合は、以下の写真のようなケーブルになります。
 こちらはケーブルの両端の端子があまり使用しない組み合わせなので、あまり売っていないかも知れません。

audio-technica ATL465A/1.5

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 マイクも同時に接続する場合は、INPUT 3 以降に接続します。
 コンデンサーマイクを使用する場合は、INPUT 5 以降を使用し、ファンタム電源[48V]スイッチをONにします。

 次に録音レベルを調節します。
 インスタコード側のボリュームは80%~最大。
 R20側のGAINツマミは、インスタコードを最も大きな音で鳴らしたときにPEAK インジケータが点灯しない範囲でなるべく大きくしてください。

 REC ボタンを押せば録音準備完了です。

■レコーディング

 「弾き語り一発録り」にこだわるならハナシは別ですが、せっかくなのでインスタコードの演奏だけを集中して録音。後から歌だけを録音します。
 録音したいチャンネルの[REC]ボタンを押して、録音できる状態にします。
 トランスポート部の[REC]ボタンを押せば録音開始です。メトロノームも内蔵されていますので、メトロノームのテンポに合わせて演奏しましょう。

 トラック1/2に録音出来ました。

 R20には様々な効果(エフェクト)が内蔵されており、録音時にエフェクトを加えることもできます。
 今回は、R20のエフェクトを使用して録音してみました。
 選んだのは[AG D-28]。インスタコードのアコースティックギターの音がより生っぽくなりました。
 これはもちろん、有名なMartin のD-28をシミュレートしたエフェクトです。他に[AG J-45]というのもあり、こちらはGibson J-45風です。
 他にもたくさんのエフェクトが内蔵されており、それぞれ細かく音作りを楽しむことが出来ます。

 次に別のトラックに歌を録音します。
 歌が下手なのはご容赦くださいね。僕も恥ずかしいんです!。でも、世の初心者や中年男性の背中を押せるならば、ガマンガマン(笑)。
 複数のトラックに歌を何度か録音して、後から編集で良いパートだけを繋ぎ合わせることだって可能です。一人でハーモニーを加えるのもイイですね。

 歌のトラックに録音出来ました。さらにこの後、インスタコードのピアノの音色も加えてみました。

■ミックスダウン

 全ての録音が終わったら、各トラックの音量を調整してバランスをとり、L(左)R(右)2トラックのステレオに仕上げます。ギターと歌、ピアノをそれぞれ好みの音量に調整します。[ PAN ]を調整して左右の空間内の楽器の配置(定位)を調整して立体的な音作りもできます。
 エフェクトは録音時にも加えることが出来ますが、録音済みの音に対しても様々な効果を加えることが可能です。
 今回は一般の方にも変化がわかりやすいように、ちょっと「お風呂場エコー」チックにルームリバーブを多めに加えました。

 最後にミックスダウン(トラックダウンとも言います)して、動画編集ソフトなどで扱える2トラックステレオのオーディオファイルを書き出します。
 画面の[ Mix down ]ボタンをタップし、本体の[ REC ]ボタンを押すとミックスダウンが開始されます。途中で、各チャンネルのフェーダーを操作(例えば、曲の途中で特定の楽器の音量を変える)すると、その操作はミックスダウンの結果に反映されます。[ STOP ]ボタンを押せば、停止してミックスダウンが完了します。
 ミックスダウンの結果は、SDカードの[ AUDIO ]フォルダーの中にパソコンなどで扱えるWAVファイルとして、書き出されます。


 動画編集ソフトには、大抵オーディオトラックが備わっているはずなので、そこに書き出したWAVファイルを貼り付けて、時間軸・タイミングを動画に合わせてやればOKです。

 以上、MTRを使ったレコーディングの方法を簡単にご紹介しましたが、比較的容易にレコーディングのクオリティが上げられることをご理解いただけましたでしょうか?。マルチトラックレコーディングをすることで、たくさんの音色を内蔵したインスタコードならではの、音楽制作の楽しみがより拡がります!。

 皆さんもインスタコードを使った音楽制作にMTRの導入を検討してみてはいかがでしょうか?。

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指1本で弾ける楽器 「インスタコード」とは?

インスタコードで DTM