2023年4月12日
YAMAHA よりDM3 シリーズの先鋒 DM3 STANDARD(DM3S)が発売されました。
この製品、各方面からかなり注目度が高く、Twitter上などでも度々話題になっています。
弊社にも早速入荷。
「早速チェックしよーっと・・・。待てよ・・・。」「そうだ、ウチの音響事業部の連中にも見てもらおう」ということで、手すきのスタッフに早速声をかけ、即席内覧会がスタートです。
さて、弊社音響事業部ではRIVAGE PM10をはじめ、
・RIVAGE PM10
・CL5
・M7CL/48
・QL5
・QL1
・DM1000
などなど、歴代YAMAHA製デジタルコンソールを所持しており、業務でガンガン使用してきました。
ヤマハのデジタルコンソールは知り尽くしているといっても過言ではありません。
もくじ
通りすがりのスタッフも含め、ほとんどのスタッフは第一声「小っちゃ!」「こんなに小さいんだ!」という反応です。
それほどこの製品のサイズ感にはインパクトがあるようです。
幅:320mm
高さ:140mm
奥行き:455mm
しかし、持ち上げてみると意外に「ズッシリ感」(6.5kg)があります。トップの素材も上位の製品と大差ないような質感です。
やはりこれくらい頑丈でないと、現場での使用には不安が付きまといます。
スタッフ[M]は「(このサイズ、重量だったら)チャリンコで現場行けるやん!」ってさすがにそれはどうなのよ・・・。
続いて、ほぼ必ずツッコみが入るのが「AC アダプタなんだ・・・」という点。
確かに現場で設置する際には、煩わしかったり、信頼性の点で多少不安ではあります。しかもそれなりにデカい。
しかし、トランスを内蔵することにより生じる本体サイズの問題や、ノイズ対策の問題など、210,000円(税別)という価格を考慮すれば、パッケージングとしてはこれが正解なのでしょう。当然輸出の際のことも考えてのことでしょう。
ちなみにACアダプタは100V – 240V のユニバーサル仕様で、ACコードは3PINではなく、2Pのいわゆる「メガネ」タイプです。
電源を入れると、チャンネル画面が表示されるまで、40秒弱を要します。「これって遅い?」スタッフ[I]に尋ねたところ「こんなもんじゃないですか」とのこと。
トップにはチャンネルフェーダーが×8本とマスターフェーダーが×1本、ツマミはヘッドフォンボリュームと、ロータリーエンコーダー(TOUCH AND TURN ノブ)のみ。
あとはボタン類と非常にシンプルなものです。
チャンネルフェーダーは、QLシリーズなどと比較するとタッチがかなり軽いものになっています。
見た目もシルバーメッキっぽい仕上げではなく、白い樹脂製のプラスチッキーな素材です。
ここは「慣れ」「好み」いろいろあると思います。
QLの部品と付け替えようとしましたがダメでした・・・(チーン)。
さて、リアパネルにはXLRインプットが×12とコンボが×4(計16IN)、出力はXLR仕様、伝統のOMNI OUTが×8、マスターOUTはデフォルトでOMNIOUTの7→L / 8→Rに割り当てられています。
加えてPCなどと接続するための、USB端子とLAN端子があります。
なお、Dante 搭載のDM3は9月の発売が予定されており、DM3 STANDARD(DM3S)にDanteを後から搭載することは出来ません。
Mini-YGDAI の拡張ポートなど、拡張性はありませんので、仕様内での割り切った使用が必要です。
また、ミキシングキャパシティは・・・
インプットチャンネル:16 Mono、1 Stereo、2 FX Return
バス:1 Stereo、6 Mix、2 FX、2 Matrix (Input to Matrixに対応)
USB:録音18トラック、再生18トラック
となっており、例えDnateやUSBで接続した場合でも、内部処理においてもこれを超えることは出来ませんので、この仕様内で間に合う現場で使ってください。
インプットレベルの調整にはTFシリーズでも採用されているGainFinderを採用。
設備用途などで一般の方が操作することも想定されているようです。
さてスタッフ[A]は「マニュアルは要らん」とばかりに、どんどん操作していきます。
操作系統はTFシリーズに非常に近く、わからない点は「仕様上できること、できないこと」だけのようです。
これまで、YAMAHAのデジ卓に触れてきた方であれば、操作に迷うことはないでしょう。
[ PATCH ]画面も当然のごとく、内部のパッチングは自由自在です。
また、今回はチェックできませんでしたが、アクセスポイントがあればWi-Fi経由でiPadから[ DM3 StageMix ]を使用したリモート操作も可能です。
なお、当然内部データはUSBメモリなどにセーブ、ロードが可能。TFシリーズのデータも読み込みが可能とのことです。
続いてスタッフ[A]がマイク(SHURE SM58)をつないで、ヘッドフォンでチェックを始めたところ「音質的にもう少しハイが欲しいかな・・・」とのこと。
そこで、「実際に音を出してQL1と比べてみよう」ということになり、スタッフ[I]がQL1とNEXO PS15を引っ張り出してきました。
「これでQL1と同じ音が出ればいいんだね。」ということでチェックを開始。
しばらくマイクチェックで比較してから・・・、「うん、Mさん、イケる全然問題ないよ、同じ音してます!」とのこと。どうやらHAのクオリティは合格のようです。
結果、QL1と比較して、ヘッドフォンアンプのクオリティに若干の違いがあるものの、スピーカーを使用した音出しチェックにおいては遜色ないクオリティでであることが確認できました。
エフェクトについては、通常使用には充分な18種類のエフェクトを搭載した2系統のマルチエフェクトプロセッサーを装備。
スタッフ[M]からの「プラグインは使えるのかな?」との点については、[ VST Rack Elements ]がバンドル(バンドルされているプラグインは6種類)されていますので、手持ちのVSTプラグインが使用可能です。
ただし、調べてみると、Send/Returnのみの対応で、チャンネルインサートでは使用できないことがわかりました。この点は要注意です。
後日、スタッフ[I]は早速現場に投入、対バン形式のイベントだったため、他社の音響スタッフからも注目を集めたそうです。
「サイズ感がイイ」「このサイズで16IN/8OUT実装って便利」「QLよりも(音質が)リッチなんじゃない?」などなど、好評だったそうです。
ちなみに、DM3はデフォルトの設定でサンプリング周波数が96Kになっていますので、このあたりも音質の評価につながっているのかも知れません。
今回はざっくりとですが、新製品 YAMAHA DM3 をご紹介しました。
コストパフォーマンスが非常に高く、汎用性も高い、大変使い勝手の良い製品であることがわかりました。プロフェッショナルの現場でも使用できる充分なクオリティも備えています。
大きな現場のサブ卓として、インストアイベントなどの現場でも活躍できそうです。
9月のDante搭載モデルの発売もとっても楽しみです。
次回はDAWとの連携も、試してみようと思います。
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