
「ワイヤレスマイク」と聞いて何を思い浮かべますか?
ワイヤレスなので、ケーブルが無いマイクだったり、タイピンのようなものだったり・・・。
しかし、ワイヤレスマイクは私たちが一般的に想像できるこれらのものだけで成り立つわけではありません。
ここでは、オーディオテクニカ SYSTEM 10 シリーズを例に説明していきます。
かんたん!ワイヤレスマイクの機器構成
基本的に「ワイヤレス」と呼ばれるものは、
・トランスミッター(送信機)
・レシーバー(受信機)
の2つで成立しています。

簡単なイメージであらわすとこんな感じです。
次に、「ワイヤレス」部分だけでは、音の送信と受信をしたのみで、出力する部分がありませんね。
これ以外に、他の機器と組み合わせて使う必要があります。

ワイヤレスの図に追加するとこんな感じです。
このシステムを構成して、初めて、ワイヤレスマイクシステムとして機能するわけです。
ここからは役割ごとに見ていきましょう。
トランスミッター(送信機)

ここの部分です。
ワイヤレスマイクとして一般的に想像する部分となります。
まず、トランスミッター(送信機)には種類があります。
・マイクロホンタイプトランスミッター:イメージしやすいハンドマイク型。送信機+マイク本体が一体化したもの。

(ATW-T1002J)
・ベルトパックトランスミッター:送信機のみ。マイク本体は付属して無く、別途専用のオプションマイクが必要。専用ケーブルを使用して、ギターなど楽器用として使用する場合もあります。

(ATW-T1001J)
ベルトパックトランスミッターは一体型ではないため、幾つかのワイヤレス専用のマイクなどから選び、状況に応じで適切なものを選んで接続し、使用することができます。
特徴と向いている用途
・ヘッドウォーン型(インカム型):ダンスなど体を動かす場合でも安定感があり、対応できます。

(PRO8HEcWB)
・ラベリア型(タイピン型):講義やビジネスシーンなどの対話向け。

(MT830cWB)
以上などの特徴から、使用する状況に合わせて選ぶ必要があります。
レシーバー(受信機)

ここの部分です。
トランスミッター(送信機)からの情報を受け取ります。 基本的に「ペアリング」という操作で、この受け取りの設定をします。
レシーバーとトランスミッターの間にはできるだけ障害物がないように、近めの場所に設置する必要があります。
また、ほかのデジタル機器からできるだけ離します。
こちらも種類があるので、使用環境によって選択が必要です。
・単体型:単純に、トランスミッター1つに対してこれ1台が受信機。トランスミッターとの間に障害物が無い近い場所に設置する。

(ATW-R1100J)
・分離型:レシーバーとレシーバーユニットのセットで使用する。レシーバーユニットとレシーバーは有線で接続する必要があるが、レシーバーユニットだけを外部設置出来るので、室内の天井や壁、さらに別の部屋へ展開できるなど場所を選ばず設置可能になる。トランスミッターとレシーバーは近くに置かなければならないという概念を覆し、レイアウトに柔軟性が出る。

(ATW-RC13J)(ATW-RU13J)
出力

ここの部分です。
レシーバーで受信したトランスミッターの情報を、レシーバーからケーブルで繋ぎ出力します。
出力にはミキサー・アンプ・スピーカー等ありますが、既存の設備・機器に追加する等、だいたい下記のようなパターンが挙げられます。
パターン1:アンプ内蔵スピーカーと繋げる:一番簡単な方法です。広いスペースではなく、基本的にワイヤレスマイクシステムのみであまり数を使わない環境にオススメ。移動が可能。
パターン2:パワーアンプ・スピーカーと繋げる:部屋などに固定して継続的に使用、広めのスペースでも対応可能です。
パターン3:ミキサー・パワーアンプ・スピーカーと繋げる:部屋などに固定して継続的に使用、さらに、使用したい音源が多い方にオススメです。 パターン4:既存の設備・機器と繋げる
※パターン2~4に関しては、別途「BOSE(ボーズ)スピーカーQ&A」や「YAMAHA スピーカーQ&A」もご参照ください。
以上、このパターンから必要なものを選択することで、ワイヤレスシステムが完成します。

やってみよう!ワイヤレスマイクシステム
なんとなく仕組みが分かったところで、一番簡単な方法でワイヤレスシステムを構成してみましょう。

一番単純なのはこの、
送信機:マイクロホンタイプ×1 − 受信機:単体型×1 − ケーブル − 出力:アンプ内蔵スピーカー×1
と、なります。
小・中規模な部屋で、マイク1本での使用でしたらこれで十分でしょう。

設置・接続の手順
①それぞれの製品を設置します。
※Bluetooth搭載機器、無線 LAN・Wi-Fi を使用する機器、デジタルコードレス電話、電子レンジなど、製品と同じ電波を使用する機器の影響によって音声が途切れることがあり、同様に本製品の電波がこれらの機器に影響を与える可能性があるため、干渉し合う機器同士は離して設置してください。
製品の取扱説明書を見ながら、レシーバーやアンプ内蔵スピーカーを接続します。
※製品の音量ボリュームを最小にし、電源は「切」状態にしてから接続してください。
電源が「切」状態で、トランスミッターに電池を入れておきます。
②アンプ内蔵スピーカーの電源を入れます。
レシーバーのアンテナをV字型に立てます。
トランスミッターの電源ボタンを長押しして電源を入れます。
ペアリングを行う必要がある場合(初回時等)は、ペアリングを行います。
③音量を調節します。
レシーバーのAFレベルボリュームノブで音声の出力レベルを調整します。
アンプ内蔵スピーカーと合わせて調節し、最適な音量に設定してください。
※必要に応じて、トランスミッターのAFレベル ボリュームノブで音声の入力レベルを調整します。
これで、ワイヤレスシステムが設置できました。
ちなみに、マイクロホンタイプトランスミッターをベルトパックトランスミッター+専用のマイクに置き換えるだけで、変更が可能です。
また、異なるIDでペアリングすれば、簡単に受信するトランスミッターの切り替えが可能です。
※IDを登録するとき・切り替えをするときは、登録・使用するトランスミッター以外の電源をOFFにしてください。
※1つのトランスミッターを複数のIDに登録することはできません。
※この例のシステムでは、複数のトランスミッターを同時に使用することはできません。
もっと!ワイヤレスマイクシステム
今まででは、一番簡単な例を挙げて説明しました。
小規模でいいので簡単にマイク1本をワイヤレスで使いたい場合
お勧めする環境:小~中規模の部屋・マイク1本のみ接続・移動が可能
簡易接続図
送信機:マイクロホンタイプ×1 − 受信機:単体型×1 − ケーブル − 出力:アンプ内蔵スピーカー×1

お勧めのセット
トランスミッター(送信機):マイクロホンタイプ(audio-technica ATW-R1100J)
レシーバー(受信機):単体型(audio-technica ATW-T1002J)
出力:アンプ内蔵スピーカー(BOSE S1 PRO or Roland CM-30)
その他:ケーブル
簡単なのでいいよ!という方は、以下からお選びいただけます。
・BOSE S1 PROセット
セット内容:audio-technica ATW-R1100J・audio-technica ATW-T1002J・BOSE S1 PRO・ケーブル
⇒ご購入はこちらから
・Roland CM-30セット
セット内容:audio-technica ATW-R1100J・audio-technica ATW-T1002J・Roland CM-30・ケーブル
⇒ご購入はこちらから
うーん、でも、トランスミッターを複数使いたいなあ、設備用でちゃんと使いたいなあ、・・・(以下略)
そんな希望が出てくるかと思います。
その場合についてご説明します。
トランスミッター(マイク)を複数使いたい場合
同時に2人以上で使いたい。
そんな場合は下記のような接続がおすすめです。
お勧めする環境:マイク2本以上接続
簡易接続図
送信機:必要分・種類選択 − 受信機:分離型(レシーバー&レシーバーユニット)×必要分 − ケーブル − 出力:要選択

なお、3つ以上使いたい場合は、トランスミッターに対してレシーバーをリンクケーブルで接続していくことで対応できます。(ATW-RC13Jの場合、トランスミッター10台(1台にレシーバーユニット2つ入るのでレシーバーは5台)まで可能です。)
お勧めのセット
トランスミッター(送信機):マイクロホンタイプ(audio-technica ATW-R1100J)や ベルトパックトランスミッター(audio-technica ATW-T1001J)and 別途専用のオプションマイク(audio-technica PRO8HEcWBやMT830cWB 等)
レシーバー(受信機):分離型(audio-technica ATW-RC13J and ATW-RU13J)
出力: 状況に適した物
その他:ケーブル
外部設置ユニットホルダーを使う場合
使用場所にワイヤレスシステムをあまり置きたくない、まとめたい。特にレシーバーとアンプを別の場所に置いてまとめて管理したい。
そんな場合は下記のような接続がおすすめです。
お勧めする環境:システムの管理場所をまとめたい場合や使用部屋以外でシステムを管理したい場合
簡易接続図
送信機:必要分・種類選択 − 受信機:分離型(レシーバーユニット)×必要分 − ケーブル − 受信機:分離型(レシーバー)×必要分 − ケーブル − 出力:パワーアンプ&スピーカー or アンプ&パワーアンプ&スピーカー

出力: 状況に適した物(※)を選択してください。
※については次の項目で説明します。
ミキサー・スピーカー・パワーアンプなどを使う場合、既存の設備に追加する場合

ミキサー、アンプ、スピーカーなどには様々な形状・タイプがあります。
ミキサーとパワーアンプが一体になった「パワードミキサー」という製品もあります。
また、パワーアンプを内蔵していないスピーカーに直接ワイヤレスのシステムを接続することはできません。しかし、パワーアンプを内蔵した「パワードスピーカー」には多くの場合ワイヤレスのシステムを接続することが可能です。
ご使用の機器(ミキサー、アンプなど)にLINE IN(ライン入力)という端子があるかを確認してください。
形状は様々で、機器により違いますが、LINE IN(ライン入力)であれば機器に応じたケーブルを用意すれば接続することができます。

既存の設備に使用できるかどうかがわからない場合は、機器の型式を調べたり、写真を撮って送っていただけると、弊社でお調べできる場合もございます。
また機器同士の接続状況(機器の背面など)の写真もお送りいただけると、接続ケーブルも含めご案内できますので、より確実です。
お気軽にお問い合わせください。
以上、様々なパターンについてお話ししてきました。
基本的に「ワイヤレス」と呼ばれるものは、トランスミッター(送信機)とレシーバー(受信機)の2つで成立しており、出力部分も含めて、ワイヤレスシステムになります。
そして、使用する環境に応じて3つの項目それぞれを選択することで、ワイヤレスシステムが完成します。
「ワイヤレスシステムにしたいのだけど、どれがいいのかなあ」「店舗・設備用でスピーカー・アンプも設置したいのだけどどれが適切なのかなあ」など、「株式会社サンフォニックス」までお気軽にお問い合わせください。
株式会社サンフォニックス コンシューマー・セールス事業課
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