「毎年お金取られるってよ!」「いまのPTは音質が良くなってるらしい。」「遠隔コラボレーションできるらしい。」などなど、様々なウワサや憶測があるProTools12。
ウワサ云々というよりも、よくわかんないので最新版にするのはちょっと控えてる、という方も多いのではないでしょうか。
そこで、アップグレードに踏み切れない方、新たに導入をお考えの方の参考にしていただければということで、ProTools12について情報を整理してみたいと思います。
そもそも、DAWとしてのメリットって?
「ProTools12」に至るまで、どんな機能改良がされてきたのか、まずはそれをおさらいしてみたいと思います。
Pro Tools 12.x
- レイヤー編集モード:クリップが重なって表示された場合に、下層クリップのデータを維持しながら編集するオプション機能
- プレイリスト機能の強化:プレイリスト機能を強化し、より柔軟で素早い編集・コンピング作業
- 双方向トリム、スリップ/グリッド時のクラッチ機能、フェード・カーブ・ダイレクト編集などの編集機能の強化
- Pro Toolsクラウド・コラボレーション
- トラック・コミット機能:任意のトラック/選択範囲、レンダーするプラグインの段階、レンダー後のオリジナル・トラックの状態等、柔軟な設定ができ、バーチャル・インストゥルメントやプラグインをレンダーすることが可能
- クリップ移動/オーバーラップ時の波形表示透過性の確保:クリップを移動させたり重ねたりする際に、その移動させる波形の透過性を保ったまま動かすことが可能
- バッチ・フェードの改良とプリセット機能の追加:、フェードイン/フェードアウト/クロスフェードそしてバッチ・フェード毎にプリセットを設定
- I/O設定改良とモニタリング/自動ダウンミックス、無制限バス
- トラック数増加– 128 オーディオ、512 インストゥルメント、トラック・インプット・モニター、AFL/PFL ソロ・モード、コピー・トゥ・センド機能
- VCA マスター、ディスク・キャッシュ、先進的なメーター表示機能、ゲイン・リダクション・メータリング
- 柔軟なライセンス形態(永続ライセンス、サブスクリプション・ライセンス)
Pro Tools 11.x
- 豊富なバーチャルインストゥルメントおよびエフェクトを追加し、より豊かなサウンドのミックスを作成
- 64ビット対応 –サウンドクオリティおよびパフォーマンスの大幅向上
- Pro Toolsタイムライン内で、トランスコードしなくてもHDビデオの再生が可能
- 実時間より速いオフラインバウンス
- 超低レイテンシーで録音インプットをモニタリング
- 64ビットAAXプラグインでより良いサウンドおよびパフォーマンス
- ワークスペースブラウザを改良し、オーディオファイルの検索がよりスピードアップ
Pro Tools 10.x
- 自動遅延補正機能
- Core AudioおよびASIOハードウェアでのレコーディング中モニタリングのレーテンシーを改善
- 32ビット浮動小数点によるオーディオプロセッシング
- 単一セッション内でのオーディオフォーマットをミックス&マッチ
- アプリ内課金によるプラグイン購入が可能
- リアルタイムフェードによりレンダリング時間を短縮
- クリップ単位でボリューム変更が可能なクリップゲイン
- Avid Channel Strip, Mod Delay III, and Avid Down Mixerなど新しいプラグイン
たくさんグレードアップがなされてきたんですねー。
この中でもPT10での「32ビット浮動小数点によるオーディオプロセッシング」はかなり多くの人たちが「音質が良くなった!」と騒ぎ話題になりましたね。
確かに私自身も「うおー、すごい音がよくなった」とビックリした記憶がしっかり残っています。
また、「64ビット対応 –サウンドクオリティおよびパフォーマンスの大幅向上」でも音質向上、具体的にはプラグイン利用時の音質向上が図られて、つまりですね、なんの作業をしても「音がよくなってる」と感じられるように成長をしたわけですね。
しかもですね、64ビット対応で動作も非常に軽快になりました。
オフラインバウンスも使い出すとやめられない大切な機能向上でしたね。
早くなって音も良くなって、良い事尽くしのアップグレードだったよな、と未だに鮮明に覚えています。
さて、何度も言っている「音が良い」という話ですが、CUBASE、SONAR、LOGIC、STUDIO ONE、ABLETON LIVE、BITWIG、、、などいろいろ使う私の個人的意見では、一番良いと思っていまして、音質最優先で作業する場合は、もっぱらProToolsです。
「12」はややこしい?
結論から言うと、「はい、ややこしいです」笑
でも、おそらくソフトウェアの提供の形というのは、今後この「ややこしい」が主流になっていくと思います。
DAWが登場した頃、「動作要件を満たしているか」など今では当たり前だと思っている事を「なんだかソフトウェアってややこしいなぁ」と思っていた記憶がありますが、まさにその状況の再来という具合でしょうか。
ただ、こんな「もう一度頑張らないといけない」ような大きな転換をした事は、単にメーカー側にとって都合が良いからというだけでなく、人によってはこの形にする事でメリットが生まれるという側面もあります。
ですので、この機会に「ややこしい形」をマスターしてみてはいかがでしょうか笑
さて、新しいProToolsは大きく分けて2種類の提供方法となりました。
永続版とサブスクリプションです。
この2つは、それぞれ別物、と考えていただくと、よりスムーズに理解が進むのではないでしょうか。
永続版とサブスクリプション
「ProToolsを使える期間」でみると、、、
- 永続版は、文字どおりずっと使える
- サブスクリプションは、期間限定で使える
という感じ。
「ProToolsのアップグレードができる期間」でみると、、、
- 永続版は、1年間の期間限定なので、要更新
- サブスクリプションは、更新不要でいつでも最新版を入手可能
という感じ。
つまり、永続版でもサブスクリプションでも、何らかの期限があるわけです。
となると期限を超えてしまった場合は、、、
- 永続版は、優待価格で再加入が可能、もっと安い「更新」プランもあり
- サブスクリプションは、その都度、新規加入
という具合です。
それぞれのおおよその価格は、、、
- 永続版は75000円ほど
- 1年間のサブスクリプションは40000円ほど
- 1カ月のサブスクリプションは4000円ほど
- 永続版の「アップグレード更新」は12500円ほど
- 永続版の「アップグレード再加入」は40000円ほど
ということは2年利用となると、、、
- 永続版は「初年度75000+更新12500=87500円」
- 1年サブスクリプションなら「40000 x 2 = 80000円」
3年目ともなると、、、
- 永続版は「初年度75000+更新12500+更新12500=100000円」
- 1年サブスクリプションなら「40000 x 3 = 120000円」
というわけですから、向こう3年間使い続ける方は永続版がオススメ。
さらに「4年以上パソコンOSのアップグレードをしない」約束ができる方は、毎年のアップグレード更新も無視してコストをさげることもできます。(4年目以降に「再加入」を購入すれば、その時点の最新版を入手出来る)
ちなみに、忙しいサラリーマンさんなら毎月使うわけじゃないという事も少なくないはず。
となれば「1カ月サブスクリプション」を考える方がトータルコストを抑えられたりもします。
最後に究極の話、「よくわからん、めんどくさい、3年目に何円トクだとか以外と興味ないわー」という方は、問答無用で1年サブスクリプションがオススメ。
使えている間はアップグレードもサポートも心配無用ですし、「1年間に4万円」と単純明快。
1年を通してみて「以外と毎月使うって事はなかったな」ならば、翌年から1カ月サブスクリプションにすれば良いですしね。
実は私は、これを選択いたしました笑
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