店舗BGMスピーカー導入のこと

「新装開店」「改装リニューアル」といった時に、施設空間のBGM環境を整えることを考えたりすると思います。

 

こうした時に頭を悩ませるのが、「必要な機材を揃え、工事する」ということ。

「美味しいご飯を食べてもらおう」「重い身体をすっきりしてもらおう」と待望のお店を出すというのに、電気配線だか天井裏だとか言われても、、となるのも無理のない話です。

 

さて、こうしたことにまつわるご相談・お問い合わせは弊社も毎日頂いております。

「工事」についてはご近所やお馴染みの施工業者様にご相談頂くのが賢明かと思われますが、「必要な機材を揃える」というところについては弊社もお力になれるかと思います。

 

そこで、今回は店舗BGMスピーカーの「必要な機材を揃える」事についてのアレコレを記してみたいと思います。

 

 

当記事の情報は全て目を通して頂くことで初めて正確な情報がつかめる内容となっております。当記事の一部を参照し破損したなどの事例にはお応え出来ません。従って当記事内容に関わる一切の責任を弊社は負いかねます。実際の選定や取り付けについては全て自己責任のもとで行ってください。

 

 

 

まずはじめに

施設の間取りを業者様と眺め設置位置を考えると、必要となるスピーカーの数はおのずとわかると思います。

スピーカーの取り付け方法には「天井埋め込み型」「天井吊り下げ型」「壁掛け型」がありますが、これもほとんど間取りの影響により必然的に決まるでしょう。

 

となると後は、「音声機器」「アンプ」「スピーカー」のご用意のみとなり、いよいよ弊社の出番となります(笑)

「アンプ」「スピーカー」については後ほど詳しく説明するとして、まずは「音声機器」を検討する必要があります。

 

 

 

店舗BGMスピーカーは「業務機器」

と、その前に。

店舗BGMスピーカーのご購入にあたりとっても大切な事を知っておかなければなりません。

その点について、まずはご説明しておきたいと思います。

 

 

民生機(家電量販店で買えるような一般機材)は、様々なユーザーに扱われる事を想定し「取り扱いを誤っても簡単に壊れない」よう設計されています。

 

対して業務機器は、我々のような特約販売店や施工業者様のような専門知識を有した者が取り扱いする前提で設計された専門機器ですので、誤った取り扱い(設置工事)をすると一瞬で破損し、しかも破損責任は取り扱い者となるため保証対象外です、、、

 

冒頭で「工事は施工業者に依頼するのが賢明」と表記させて頂いたのは、こうした理由を考えて、というわけです。

 

 

ちなみに、非常に稀ではありますが、施工業者が「難しくてつけられない」なんて事もあるようです。。。

施工業者の選定は、信頼できるところかどうかの見極めも重要かもしれません。

 

一旦取り付けてしまえば、なかなか自然には壊れず、それでいて同等クオリティの民生機よりも遥かに手頃な業務機器ですが、こうした前提がある事を念頭にお取り扱いされるよう、十分ご注意ください!

 

 

 

音の出どころを考える

「音声機器」というのは、身近なもので表現するとコンポやパソコンやスマホなど、音楽再生機器ですね。

でも例えばスポーツバーだと試合放送の音声や名試合の動画を店内に流したり、必ずしも音楽に限られないので「音声機器」と表現させていただいています。

 

さて「音声機器」は既にお持ちだ、というケースは多いのではないでしょうか。

問題は「それがアンプに接続できるのか?」という事。

 

ということで、主な「音声機器」の接続端子をご紹介してみたいと思います。

 

 

 

テレビ、ブルーレイ/DVDプレイヤーなどに多い、、、

音声機器の端子:RCA端子

画像は3対のRCAで、このうち赤と白が音声用の端子です。

ちなみに黄色は「コンポジット」などと呼ばれる映像用端子。

オーディオコンポなどでは2対の赤白のケーブルが用いられますが、それに映像用の黄色を足しただけのものが画像の3対のRCA、ですから3対のRCA場合は赤白の2つだけを使えば音声機器としてアンプに接続が可能です。

映像系機器とアンプをつなぐ場合は、大抵この端子になるかと思います。

 

 

 

パソコン、オーディオコンポ、スマホなどに多い、、、、、

音声機器の端子:ステレオミニ端子

スマホのイヤホンジャック、といえばお馴染みでしょうか。

これを用いて音声信号のやりとりが可能となります。

RCAの場合は片側2箇所の接続が必要でしたが、ステレオミニではこれ一つで大丈夫。

またRCAの場合は機器の背面や側面に備わっていますが、ステレオミニだと正面など目につくところに備わっているのでわかりやすさもありますね。

 

 

 

最後は少し特殊、、、

音声機器の端子:光デジタル端子

この頃のテレビなどには上記でご紹介したRCAやステレオミニなどの端子が無い場合がありますが、そういった場合は「デジタル端子」を用いると接続が可能となります。

 

ただし重要な事は「デジタル端子はそのままアンプに繋がらない」ということ。

 

デジタル端子という名前のとおり、ケーブルを流れる信号が「デジタルデータ」であるため、まずは「音声信号」に変換してあげる必要があります

 

 

そこで必要なのが、こうした製品。

TRUSTIN デジタル-アナログオーディオ変換器

 

これでデジタル端子をRCAに変換できます。

弊社では取り扱いの無い商品ですのでご提供できませんが、「こうした方法もある」という事も念頭に入れていただけると良いかと思います。

 

 

 

音声機器が複数の場合は?

例えばスポーツバーなど、普段は音楽を再生しているが放送が始まると番組に切り替える、なんて事を希望する場合は「音楽用」と「放送用」の2つの音声機器を用意する必要がありますね。

 

弊社取り扱いの業務アンプでは「入力切り替え」機能がついていますので、大体2つまでならアンプだけでこれを適えられますが、入力が3つ以上となると、別途「音声切り替え機器」、われわれの業界では「ミキサー」と呼ばれる機器を追加する必要が出てきます。

 

サンフォニックス|ミキサーコーナー

https://sunphonix.jp/shop/category/item/genre/public-address/mixer/

 

ミキサーは複数の音声を切り替えたり、混ぜ合わせたりするための機器。

単に切り替えるだけでなく、それぞれの音声ボリュームを調整して「混ぜる」事もできるので、音声機器が複数ある場合はこうした機材の追加も検討頂くと良いかと思います。

 

 

 

ワイアレスで音楽再生をしたい場合は?

「パソコンやタブレットなどの音楽ライブラリを、ワイアレス接続で、店内BGMにしたい」といった、Bluetoothなどを用いたワイアレス接続が非常に注目されています。

尖った製品では、「天井取り付け型Bluetoothワイアレススピーカー」といった「故障したらどうするんだろう、、、」という製品まで世には登場しており、世の中で非常に人気である事がうかがい知れますね。

 

 

さて、弊社では店舗BGMスピーカー類の故障、拡張、新調をした場合の事を考え、アンプやスピーカーそのものにワイアレス機能をつける事は「まだ」最善ではないと考えています

 

一番には、そもそもワイアレス・オーディオ規格(Bluetoothなど)が定着しきっていないため、近い将来「Bluetooth!?そんなのもうほとんど使われてないし、、」などなり得る危惧があるからです。

 

 

でもワイアレスの快適さを一度知ってしまうと、もうやめられない、とまらないもの。

そこでオススメしたいのが「Bluetoothワイアレスレシーバー」を導入するという事です。

この機器はBluetoothワイアレス「レシーバー(受信機)」で、受信した音声をステレオミニで出力する事ができるという機器です。

 

例えばスマホなら、環境設定などからBluetoothペアリング設定を開いて本機とペアリング。

そして音楽を再生すると、、、音声がこの小さなレシーバーから出力されるという代物。

 

つまりコレとアンプを繋げば、ワイアレスBGM環境の出来上がり!というわけです。

 

見ての通りMicro-USBコネクタが備わっており給電しながらの利用もOK。

今のところ、およそ2千円ほどですので、手頃さも魅力です。

 

AUKEY Bluetoothオーディオレシーバー

 

 

 

音の出口を考える

さて、いよいよスピーカー/アンプのお話です。

と、その前に、こうした機器をお求めになられる場合にいろいろな「前提」からして違ったりするもの。

そこをまずはクリアにしてから、次に進んでいきたいと思います。

 

 

 

まずは店舗BGMスピーカーの事を知ろう

民間の間で「スピーカー」というと、何かの再生機器を繋げて電源を入れれば音が出る、というイメージがあるかと思いますが、業務機器である店舗BGMスピーカーの多くは、スピーカーだけでは音が鳴りませんし、電源コンセントもありません。

 

じゃあ、どうすれば音が出るのか?

電源はどうするのか?

その答え、それが「アンプ」です。

 

アンプとスピーカーをつなぐ事によって、アンプからスピーカーへ電気が流れ、スピーカーは必要な電力と音声を出力できるようになるという仕組みになっています。

 

こうして表現すると特別なような事のように聞こえますが、民間でいうところの「スピーカー」も実は「スピーカー筐体の中にアンプが入っている」という構造が大半。

組み合わせの自由度を省く代わりに「理解しやすさ」を重視した形ですね。

 

 

さて、ここで重要なのは「アンプからスピーカーへ電気が流れ……」の部分、ここが非常に重要です。

 

いよいよ私も皆さんも苦手な「電気のお話」です(笑)

 

 

 

設定と繋ぎ方で変わる

店舗BGMスピーカーの大きな特徴、それは設定と繋ぎ方で、音質もアンプの必要台数も変わるという事。

もっと言えば設定と繋ぎ方を誤れば、性能を活かせないとか一瞬でアンプやスピーカーが破損した、という事になります。

 

「業務機器」の項目で説明した通り、こうした破損も取り扱い者様の責任となってしまい保証は効きませんので、店舗BGMスピーカーをお求めの場合は、必ずこの点で間違い無いよう選定しなければなりません。

 

また、設定と繋ぎ方で製品仕様の読み方も変わってきます。

ですから購入検討の前に、まずは設定と繋ぎ方を決める必要があるでしょう。

 

 

ハイインピーダンス接続

数多くのスピーカーを必要とする場合や、施設内アナウンスなどに重要性が置かれる場合に適しています。

 

スピーカー数が8つ以内で、かつアンプ/スピーカーのケーブル長が20m以内に収まるのであれば、後述する音質に優れた「ローインピーダンス接続」が良いかもしれません。

 

ハイインピーダンス接続の主な特徴

  • 主にショッピングセンター、教育機関、駅や図書館などで採用されている
  • 施設に張り巡らせた多数スピーカーを少数または1カ所で管理管轄する場合に用いられる
  • 増改築などによるBGMシステムの改変などを、システムを止めずに容易に行える
  • ハイインピーダンス接続対応のスピーカー/アンプが必要

 

 

製品仕様の見方

出力の値のW(ワット)数値と、並んで表記されている70V(系)/100V(系)を参照します。

 

70V/100Vの方は、アンプ/スピーカーシステム全体で同じ値に揃える必要があります。

W(ワット)数値の方は、【アンプのW数】 > 【スピーカーW数の合計】で利用できるスピーカー数を求める事ができます。

 

例えば200Wのアンプに10Wのスピーカーをつなぐ場合、最大で20こ利用できる、という具合です。

 

単純に「アンプW値内に収まっていれば良い」という事さえ守れば、スピーカー側は割と自由がききます。

例えば200Wのアンプに、10Wのスピーカー1つでも、10W/20W/30Wのスピーカーが混在していても、ハイインピーダンス接続で70/100Vの値が揃っていれば問題ありません。

 

またスピーカー側のW値は複数記載されている事がありますが、これは「好きな値を選択できますよ」という事。

ただし値が小さいほど音量も小さくなるので、できるだけ大きな値をとる方が良いかと思います。

 

 

ハイインピーダンスでの簡単な参照例

BOSE DS16FのW(ワット)数値仕様 = 100V伝送時:2W/4W/8W/16W = 2/4/8/16Wを選択可能

BOSE IZA190-LZのW(ワット)数値仕様 = 1×90W@70/100V = 90W

従って、DS16F + IZA190-LZシステムでのDS16F最大利用可能数は、、、45個!(2W時)

 

 

接続方法

画像のように「並列接続」が用いられます。

どこかスピーカー1つが故障したとしてもBGMシステム全体には影響を及ぼさず、またスピーカーの増設や更新もシステムを停止させる事なく行えるので、安心です。

 

 

 

ローインピーダンス接続

スピーカーの音質性能を最大限に引き出せるので、心地よい、または心躍る音響空間の構築に適しています。

 

スピーカーは9つ以上欲しい、頻繁に機器の拡張・更新をする、アンプ・スピーカー間のケーブル長が20m以内に収まらないといった場合には前項の「ハイインピーダンス接続」を検討した方が良いでしょう。

 

ローインピーダンス接続の主な特徴

  • 主にカフェ・バー、飲食店、美容室、サロンなどで採用されている
  • 8つまでのスピーカーを駆動させる場合に広く用いられる
  • スピーカー・アンプのケーブル長が20m以内の場合に広く用いられる
  • ローインピーダンス接続対応のスピーカー/アンプが必要

 

 

製品仕様の見方

基本的には「Ω」で示されるオーム値が参照値です。

この適合判断は、オーム値は【アンプ=スピーカー】であること です。

 

また「音量が大きくならない」「音が鳴らなくなった」という事を防ぐため、「W(ワット)」についても検討する必要があります。

「W(ワット)」については「1+1=2」のように一筋縄ではいかないものですので、後述の「W(ワット)を考える」にまとめましたので、合わせてご参照ください。

 

「もう読むの面倒だよ、、」という方は、こうした事を考えなくて良い弊社ご提案セットページよりご希望の品をお選びください(笑)

 

 

さて、アンプ側は大抵、複数のオーム値を持っているので、様々なローインピーダンス・スピーカーの接続に対応する事ができ、さらにイレギュラーな方法では【アンプオーム値<スピーカーオーム値】であれば、「スピーカー最大音量は出せないけど、壊れることはない」ということもあります。(差が2Ω程度なら実用の範囲であると思います)

その上で、ローインピーダンス出力端子は2つ(2CH)備わっているので、一般的にはアンプ1台につき2つのスピーカーを利用する事ができます。

 

そして、後述する接続方法の工夫やアンプの親子システムの採用でおよそ8つほどまでのスピーカーを利用する事も可能です。

 

 

ローインピーダンスでの簡単な参照例

BOSE DS16F….. インピーダンス:8Ω、許容入力:16Wrms

BOSE IZA250-LZ….. アンプ出力: 2×25W(8Ω時)

 

従って、8Ω設定の「IZA250-LZ」と「DS16F」は【アンプ=スピーカー】成立。

また「IZA250-LZ」は「2×」の表記の通り2CH仕様ですから、「DS16F」は2つ利用可能!という具合です。

 

 

接続方法

一般的な接続としては、ローインピーダンス出力端子1つにスピーカー1つを取り付ける形です。

単純にアンプとスピーカーの+/-極を合わせてケーブルで繋ぐだけ。

これが「一般的なローインピーダンス接続」です。

 

 

 

続いて「ローインピーダンス出力端子1つ」に「スピーカー2つ」の接続方法をご紹介したいと思います。

この接続では、スピーカーが2つになる事で電気仕様が変わってしまうため、改めて違う基準で適合判断をしなければなりません。

 

適合判断は以下のとおり。

 

オーム値が【アンプ=スピーカーシステム】であること、加えてスピーカー同士のオーム値が同じである事

 

「同じΩ値のスピーカーで揃える」というのは一般的に言えば「同じスピーカーで揃える」でOKなわけですが、「スピーカー【システム】」となっているところ、ここは注意が必要です。

つまり「スピーカーシステム」としてのオーム値を割り出さないといけない、ということです。

 

 

さて、そのシステム・オーム値は、オーム値をスピーカーの数で割った値が、システムのオーム値になります。

 

例えばBOSE DS16Fですと、オーム値は8。

これを2個用いる場合の合計オーム値は、、、8(Ω値) ÷ 2(個数) =【4Ω】 となります。

 

 

 

W(ワット)を考える

ローインピーダンス接続では、店舗BGMスピーカーに限らず広く一般的にアンプ/スピーカーのシステムを検討する、という際には「オーム値」だけでなく「ワット値(W)」も検討する必要があるものです。

 

この参照方法は【アンプ出力・ワット値 ≒ スピーカー(システム)許容入力ワット値(PGM)】という具合。

※「≒」は「ほとんど同じ」という意味です。

※厳密には「アンプ出力ワット値」は「スピーカーシステム許容入力ワット値」を超えるべきではありません。

 

ここで考えるべきは、、、

  • アンプのほうが大きい時:スピーカーが壊れる
  • スピーカーのほうが大きい時:ボリュームMAXなのに音量が小さい

という事が起こります。

 

 

そして、物事をややこしくしてるのは、メーカー公表の値がさほどあてにならないという事。

 

 

例えば、以下のような具合です。

  • BOSE IZA250-LZ(8Ω25W)≒ DS16FW(8Ω16W) = 差が9Wもあるが、壊れない。
  • BOSE IZA250-LZ(4Ω50W)≒ DS16FW x 2(4Ω32W) = 差が18Wもあるが、音量品質で困る事はない。
  • BOSE IZA250-LZ(4Ω50W)≒ DS40FW x 2(4Ω80W) = 差が30Wもあるが、音量品質は若干小さくなる程度。
  • BOSE IZA250-LZ(8Ω25W)≒ DS100FW(8Ω100W) = 75Wも差があるので、ボリュームMAXでも音が小さい。

 

 

結果は大方「算出方法」に則っていますが、かなりいい加減に見えますね(笑)

実は上記の計算は「ひっかけ問題」的にところどころ問題ありで(笑)本当の算出には公表されていない正確な「PGM ワット値」とか「能率」などの参照値も交えたもっと複雑なものでなければなく、現実的に考えて「正確な値」を算出することが難しい状況にあります。

 

 

ただし確実に言える事は、

  • 各社スピーカーは、
  • 推奨アンプ利用時に、
  • ローインピーダンス/並列接続で、
  • 1CHあたり2つまでなら、
  • 問題なく利用できます!

という事。

 

 

この辺りの事も踏まえて、弊社があらかじめ組み合わせた「店舗BGMシステム導入セット」もご用意しております。

「もう色々わけがわからん」という方は、以上セットをご検討頂いたり、お問い合わせにてご相談ください。

 

 

 

アンプの親子システム

弊社取り扱いのBOSE/YAMAHAアンプは「アンプの親子システム」が構築でき、これを用いると繋ぎ方に工夫をしなくても利用スピーカー数を拡張する事ができます。

 

ちなみにローインピーダンス接続でも親子両方で2個並列接続を行うと、、、最大8つのスピーカーを接続する事まで可能。

 

ローインピーダンス接続で5つ以上のスピーカーを必要とする場合は、この親子システムを検討する必要があるので、ぜひチェックください。

 

 

親子システムって、何?

BOSE/YAMAHAアンプのラインナップには、「多彩な音声入力やボリューム調整機能などを備えた親アンプ」との接続が可能な、音声入力やボリューム調整機能などが省かれた「子アンプ」がラインナップされています。

 

子アンプでは、親アンプで行うボリューム調整や信号チャンネル設定などが反映された音声が出力されるので、感覚としては「親アンプを操作するだけで親子同時に音量やチャンネルが変化する」という具合。

 

アンプ1台では処理できないスピーカー数のご利用を希望の場合、外せない選択肢が「親子システム」です。

 

 

 

BOSE IZA250-LZ + ZA250-LZ

IZA250-LZ(親)とZA250-LZ(子)の二つの接続は、親の方の「AUX OUT」と子の方の「INPUT」をRCAケーブルで接続するだけ。

ZA250-LZ(子)には、短いですがRCAケーブルも付属しているので安心です。

 

 

YAMAHA MA2030a + PA2030a

MA2030a(親)とPA2030a(子)の二つの接続は、親の方の「LINE OUT」と子の方の「LINE IN」をRCAケーブルで接続するだけ。

こちらにはRCAケーブルが付属していないので、要注意!

 

 

 

結線する

店舗BGMスピーカーとアンプは、繋がなければ音は出ません。

このアンプとスピーカーを「繋ぐ」(以下「結線」と略)という事について、ここではご紹介してみたいと思います。

 

 

ちょっと変わったケーブルが必要

店舗BGMシステムの結線で用いるケーブルは、「先バラ」などと呼ばれるスピーカーケーブルを用います。

「コネクタ」というものがなく、被膜を剥いで電線をむき出しにして各機器に接続する形で、家庭ではオーディオ機器で広く用いられている方法です。

むき出した電線(導線)は、よじって一本のような具合にしてスピーカーやアンプの接続部に繋ぎます。

導線の材質は「銅」などの金属ですから、よじる時には汗などがつかないよう、毛羽立たない手袋などをして作業したほうが良いでしょう。

 

という訳で「先バラケーブル」の基本的な扱い方はこんな具合です。

 

問題は、「じゃあどんな先バラケーブルを用意すれば良いのか」という点ですが、これが以外と盲点のようです。

そこでケーブルを選ぶ理由を少し取り上げてみましょう。

 

 

ケーブルがどこにあるのかをよく考える

表題の通り、施設の内側ではなく「壁の向こう側」にケーブルを引き回す事が多いのが店舗BGMスピーカーで用いられるケーブルの特徴です。

 

この時、ケーブルを通す壁穴はできるだけ小さくしたほうが格好が良いですし、施工業者も普通「大きな穴」を開ける事は想定していないでしょう。

また、高品位オーディオの世界では音質を優先するという事で導線材に「銀」を採用する事が多いですが、銀は非常に硬く引き回しが非常に不便で、天井裏を這わせる店舗BGMスピーカーの環境にはオススメできません。

 

という訳で、「扱いやすく」「太さの具合が良い」ケーブルが絶対条件ですね。

さらに欲をいえば廉価なオーディオケーブルなどではなく、耐久性と音質性能の両方も備えたものを用意するのがオススメです。

 

弊社だと以下の製品ですね。

検索結果「店舗BGMスピーカーケーブル」

 

 

よく業務用オーディオケーブルの定番と言われる「CANARE」の4S6や4S8を用いる、なんて話を耳にしますが、これは施工的には「適切でない」といえます。

だって、すごい太くて明らかに目に付きますもの。(笑)

「設備音響」のリアルな施工実情を知る人なら、これをあえて選択する人はいませんので、ご注意を。

 

 

 

ケーブルを繋ぐ

大きく分けて「ターミナル」式と「ユーロブロック」式があります。

聞きなれないので固まってしまいがちですが、なんてことはない、非常に簡単な仕様です(笑)

 

では、ご紹介してみたいと思います。

 

 

ターミナル

「スクリーターミナル(ネジ式ターミナル)」「プッシュターミナル」「バリアストリップ・ターミナルブロック」など様々な呼び名のものがありますが、、、単にケーブルを端子に挟む仕様のものです。

 

「スクリーターミナル(ネジ式ターミナル)」と「バリアストリップ」ではネジを絞め込んで導線(または圧着端子)を挟むタイプ、「プッシュターミナル」だとクリップ式の挟み穴に導線を通して挟むタイプです。

 

導線の被膜を出しすぎて付近の金属に触れないよう、また汗などの水分に濡らさないよう気をつける以外、特に難しい事もないわかりやすい方法ですね。

 

 

ユーロブロック

これはオーディオに精通する一般の方でもあまり触れた事のないものではないでしょうか。

私は元来レコーディング分野の人間ですが、設備音響に携わるまで実物に触れる事がなかった代物ではあります。

 

とはいえ、ご心配なく。

取り扱いとしては「ターミナル」と大差のないものですので、是非このまま読み進めていただければと思います。

 

 

さて、このコネクタの特性は「手軽かつローコストかつ確実に様々な機器を繋ぐ事ができる」というものです。

 

例えばRCAだとRCA、ステレオミニだとステレオミニ、マイクで用いるXLR(キャノン)だとXLRという具合に、当然の事ですが接続コネクタが限定されます。

しかしオーディオケーブルを流れる信号そのものは、RCA、ステレオミニ、XLRのいずれも大差のない信号が用いられており、信号の受け側がその微妙な違いに対応できる『マルチな存在』であれば、むしろコネクタを限定してしまう事で不便が生じますし、それを回避するために様々なコネクタを設けるとなると、大きなコストアップに繋がってしまいます。

 

そこで、ユーロブロックを用いコストダウンと利便性の向上を両立させようというわけですね。

 

構造はシンプルで、ケーブルとユーロブロックをスクリューターミナルのようにネジ止めし、あとはブロックを機器に繋ぐだけです。

 

気をつける点は、ターミナルと同様に導線が互いに干渉しないようにする事、汗などの水分の付着に気をつける事と、できればあまりユーロブロックの抜き差しをしない事です。

 

というのも、小学工作レベルにシンプルな構造ですので、ユーロブロックコネクタ自身が損傷しやすいからです。

※特にケーブル側ではなく機器側(受け側)の損傷が起こりやすく、最悪、基盤ごと交換をする羽目になる事もあるので、気をつけて取り扱う事をお薦めします。心配な場合には、「ユーロブロック」対「音声機器」ではなく、接続性が高く故障の心配も少ない「ミキサー」などの機器を導入すると良いでしょう。

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