愛する909を再現したRoland TR-09を触ってみた

つい先日発売されたRoland TR-09。

 

個人的にデトロイトテクノが好き、なのでジェフミルズも愛用する「TR-909」を購入するかどうか、何度も悩みまくった過去がある私にとっては、ものすごく興味のある製品。

この動画はジェフミルズが本物のTR-909(以下909と略)でリアルタイムパフォーマンスをしている様子。

ドラムマシンひとつでここまで「惹きつける」、スゴイと思いませんか!?(笑)

ジェフミルズのセンスやテクニックはもちろんですが、そのパフォーマンスに「楽器」のように呼応する909というドラムマシンも素晴らしいところです。

 

そして、そんな特徴的な909をRoland自慢の技術で現代に甦らせたのが、今回記事で取り上げる「TR-09」です。

非常に小さくはなりましたが、見た目も音も、雰囲気そのまま。

いよいよ気になる存在ですね。

 

では、ちょっぴりレビューしていきたいと思います。

 

 

 

TR-09

触ってみました、マニュアルに目を通しながら打ち込んでみて、いやはやスピーディに素晴らしいサウンドとグルーブが生まれる、生まれる、、、まさに「楽器」だなと思いました。

 

何と言っても私が感動したのはシーケンサー。

サウンドはYoutube試聴の段階で既に好みと知っていましたが、ただの16ステップシーケンサーに音を配置して、shuffle値を変えるだけで驚くほどのグルーブが生まれる。

この「グルーブがカンタンに出る」感覚は、DAWやAbleton LiveやMaschineなどのソフトウェアやワークステーション系シンセでは体験できない特別な感覚です。

 

というわけで以下は私がものの5分位で打ち込んだパターンを、ちょこっとリアルタイムで触ってみた結果でございます。

お粗末ですが、DAWでこれと同じくらいサウンドとグルーブを作りこもうと思うと、もっと時間がかかる事は自信を持って言えます(笑)

 

さて、耳凝らして聞いてみると分かるのですが、それぞれの音が「同じタイミング」で発音すると音が混じり合うような絶妙なサウンドが生まれます。

 

悪く表現すれば「各音の明瞭度が下がった」とも言えますが、、、逆にDAWなどでの「明瞭度が高い」状況だと、音の変化が無い事も明瞭になってしまうため、常に音色へ微妙な変化を与えるなどの「もう一工夫」が必要となってきます。

 

この「もう一工夫」がないと「活きた感じ」が出づらく、楽曲を「単調」に感じさせてしまう理由にもなるからです。

特にループミュージック、主にテクノやハウスなどの「4つ打ち」ではリズムそのものが単調ですから、こうした音の作り込みが非常に重要で、クラブ需要で何度もリリースを続けるプロデューサーさんなら皆さん意識しているお馴染みの事だと思います。

 

ところが「こうした作業が必要」というのにも例外もありまして、それこそがアナログハードウェア。

とりわけ「TR-09」の元である909などが顕著で、勝手に音が変調したり揺さぶられたり、そしてその「変わり方」がアナログ風味で耳当たりも良い。

もちろん大げさに変化するのではなく、あくまで「上辺な音は変わってないけど、耳を凝らすと確実に変わっている」という具合が得られるわけですね。

 

 

つまりは「DAWで作り込む」というのは「100%自分の思い通り」での制作となるわけですが、機材から「どうよ?この混じりっけ多めのサウンド」と語りかけてくるような、対話するようなアナログ系ハードウェアでの音楽制作は本当に楽しいわけです。

 

「楽器と触れ合っている」って感じが、個人的には大好きです。

 

 

 

今時ならではの909

MICRO USB端子がついてます。

これにより4CHのヴァーチャル・パラアウトが可能です。

TR-09の各音ごとに、4つのヴァーチャル出力いずれかが選べ、そのままDAWへ流し込めるということ。

 

これにより2mixでDAWに流し込んだ時のようにDAWエディットで困ったり、ミュートを多用して何度もレコーディングするというような原始的な作業にイラついたりする必要がなくなるというわけです!

 

 

もっと言えば「詳細なサウンド調整や音の作り込みはDAWでもできる!」という事。

今時の音楽制作事情を考えると「必要不可欠」と言える機能といえますね。

 

せっかく触ったのに「あー、そんな機能もあるみたいですね」じゃ心もとないので、すこし試してみました。

※パラアウトを試してみたついでに、「お粗末な5分パターン」に10分ほどのDAWエディットも施してみました。是非とも最後までお読みください!!!

 

 

TR-09の設定

まずはTR-09本体にて、どの音をどのCHに振るかを設定します。

私の場合は、

  • 1CHをキック
  • 2CHをスネアとクラップ
  • 3CHをタム達とリム
  • 4CHをハット/シンバル系

の設定で振りました。

 

ところで、多くの高級ハードシーケンサーにはパラアウト機能がしばしば搭載されていますが、「2mix出力」と「パラアウト出力」で音色が変わってしまったりするのが悩ましい「あるある」だったりします。

しかしTR-09のヴァーチャル・パラアウトではTR-09の特徴的な「音混じり感」が失われません!

 

これはちょっと意外、大事なポイントかもしれません。

 

 

DAWの設定

DAW側ではTR-09を「オーディオインターフェース」として認識させねばなりません。

となると、まずはドライバのインストールとDAWでの初期設定が必要です。

 

今回、DAWにはStudioOne、環境はMacを利用しました。

ドライバのインストールはRolandホームページからダウンロードしてきてインストーラーの指示通りにインストールするだけですので、DAW設定について触れてみたいと思います。

 

 

オーディオ設定

よくある「デバイス選択」で「TR-09」を選ぶ。

 

 

入出力設定

TR-09の物理出力(マスター出力)が、DAW INPUTの「1/2」になるので、それ以降の「3/4」(TR-09:CH1)、「5/6」(TR-09:CH2)、「7/8」(TR-09:CH3)、「9/10」(TR-09:CH4)が、TR-09 USBパラアウト設定のCHとリンクしています。

 

というわけで、DAWでの「入力設定」も、こんな感じで設定しました。

 

 

ちなみに、これをお読みの皆様はきっと賢く聡明な方々だと思いますが、、、、私は「あれぇ!?TR-09のUSBパラアウトできないなぁ!?なんで!?なんで!?」と5分ほど悩んでたのですが、、、原因は「DAW設定の出力設定」をずっと触っていたから!(笑)DAWがTR-09のパラアウトを受け取るのは「入力」ですから、「入力設定をする」という事をお間違えなく!

 

 

録ってみた

あとはDAWでパラアウト入力用のトラックを4つ作りレコーディングするだけ。

 

実は当記事の「お粗末な5分パターン」はパラアウトでレコーディングをしたものを、なんの処理もせずバウンスしたトラック。ですから今度はDAWで少し処理してバウンスしたものを「Roland – Tr – 9-mixdown – Post」としてご用意してみました。

※「Roland – Tr – 9-mixdown – Pre」が未処理のトラックです

やったこと

  • キックの音作り(歪ませた)
  • スネア類にコンプ
  • タム類に若干ローカット
  • ハット類にリバーブ
  • マスターでリミッターをかけ音圧アップ

 

どうでしょう?

個人的には「少し良い感じになった」と思っているのですが、、、少なくとも「やり込んだ!」という事もなく、これだけのエディットを施せるパラアウト、やっぱり音楽制作するならば必須だなーと思いました。

 

 

 

まとめ

個人的に「辛いなぁ〜」と思ったところをピックアップ!

 

  • 非常に小さい!小さすぎる!指が大きな人には「ライブ利用」はつらいかも
  • ステップ数が16(パターンとパターンをつなげて16×2とかにはできますが、本当は1パターンで64位欲しい)
  • ステップ最大16なのに、最大トラック数は96個までとちょっと少ない、、、
  • USBで丸ごと保存、リコールができるようになって欲しい

 

個人的にはこんなところ!

その他は本当に良い感じだと思いますので、個人的には非常にオススメの製品です。

 

なによりDAW作業と違い「楽しい」というのがたまらない!!!

 

 

当記事の補足

サウンドについて、当記事では「音が良い」(またはそう想起させる表現)を多用しておりますが、909ファンの私は「独特の音だから好き」であって「音(音質)が良い」とは感じていません。「カセットデッキのテープにハイレゾサウンドを求める」「フィルムカメラにデジタルカメラの高精細さを求める」というのはそもそも間違ってるわな、と考えている私的に「音が良い」と表現しているという事です。誤解の無いよう、一応おことわりしておきますね♪

 

Roland TR-09

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