■アコギの発表会?
2019年6月26日、ヤマハ銀座店内のホールにてYAMAHA アコースティックギター「STORIA」の新製品発表会が開催されました。
アコースティックギターは弊社通信販売業務の守備範囲外なので、普段はLM楽器の発表会には出席しないことも多いのですが、今回は案内メールに「ポータブルPAシステム」も同時発表の記載があったので「なぜアコギの発表会で?」との思いも抱きつつ足を運んだのです。
アコースティックギターの「STORIA」 は安価でありながら、デザイン性や音の良さを両立させた意欲的な製品。
当日デモ演奏を披露した弓木英梨乃ちゃんは実力派ギタリストでありながら、とってもキュート!今後の彼女のKIRINJIなどでの活動にも注目です!。
■システムは既に代わっていた
さて、発表会後半にSTAGEPAS 1Kのプレゼンテーションがスタート。
ほとんどの来場者は「STORIA」の発表会にいらっしゃっていると思われましたが、私にとってはここからが本番。
このタイミングでプレゼンターの方が交代されましたが、実はPAシステムもそれまでのホールに設備として設置されていたYAMAHAの他のシステム(IF2115 ×4台 + IS1215 ×2台)から「STAGEPAS 1K」に代わっていたのです。
気付いていなかった人も多かったと思うのですが、みなさん!ココはちょっと驚くところですよ!。
それまでフライングされていた中規模システムから出ていた声が、たった1台(!!)の「STAGEPAS 1K」に代わっていたんですからね。
そう。細~い、たった1台の「STAGEPS 1K」の先っちょから出る音なのに、音質、遠達性、水平方向の音の拡がりも全く問題無くカバーできていました。
■基本性能
このカテゴリの製品はBOSE社のL1 Systemが先鞭をつけ、その後現在のL1 Compact Systemに受け継がれています。
その後、JBL EON ONEシリーズなど、他社も追随するように数多くのメーカーから発売されました。そして、日本国内メーカー、真打ち「世界のYAMAHA」から満を持して登場です。
中高域を担うアレイには1.5インチのユニット10基が絶妙に配置されています。
下の方のユニットは下向きに配置されていますので、垂直方向のサウンドエリアの拡大に貢献しています。
下の方のボックス型の本体にはサブウーファーが搭載されており、その口径はクラス最高レベルの12インチのユニットを搭載。
これらのユニットをドライブするClass-D パワーアンプは、こちらもクラス最高レベルの1,000Wを出力し、最大出力音圧(実測値ピーク):119 dB SPLを達成しています。
ちなみに製品名の[1K]は「1K=1,000」ということで、1,000W出力が製品名の由来にもなっています。
他社製品では「入力部」的な扱いの入力~操作部ですが[STAGEPAS 1K]においては、「5チャンネルデジタルミキサー搭載」を謳っています。
ツマミもついているので、外観からはわかりませんが、内部はデジタル処理を実行している完全なデジタルミキサーなのです。
ミキサーの仕様は、入力1~3CHまでが、XLR/PHONE のコンボ。内2つはHi-Z対応なので、エレキギターなども直接インプット出来ます。プラスPHONE×2のステレオ入力を1系統装備、パネルトップのステレオミニからの入力も可能です。加えてBluetoothデバイスからの再生にも対応しています。
出力はMONITOR OUTと、LINK OUTを装備していて、LINK OUTを使用すれば、ステレオシステムとして使用できるので、小規模ライブハウスなら「STAGEPAS 1K」1対向で間に合ってしまうでしょう。
実際の試聴では楽曲音源の再生のみで試聴時間的にも不満が残りましたが、1台だけでの再生にも関わらず、余裕の音量。曲は打ち込み系のポップスでした(もっとじっくり、いろんなタイプの曲で聞きたかったな~)。
発表会終了後にスタッフの方に確認したところ、「Vol ツマミ位置は50%以下」とのことでパワーにはまだまだ余裕がありましたので、機会があればフルパワーでの再生音を聴いてみたいものです。
(Inter BEEで聴けるかな~?)
音質については、一聴して、特に引き締まった低音が印象的でした。
■とにかくカンタン
このカテゴリーのシステムは、音響機器の知識が無い方からの需要も非常に高く、企業や学校などでの使用も想定され「カンタンに使える」ことにかなり力を入れて製品設計されていることが見て取れます。
とにかく、組み立てて、マイク・楽器をつなぐ。電源をつないで、スイッチオン。で音が出せます。これで音を出せない人は、まずいないでしょう。
ミキサーの各チャンネルには複数帯域の周波数の調整を同時に行なう「1knob EQ」を搭載。
定番のSPXエフェクトも「1knob」です。HALL / PLATE / ROOM /ECHOを1つのツマミを回すことで、切替とレベルの調整を行ないます。
さらに、マスターアウトには「MODE」ツマミが装備されており、SPEECH / MUSIC / CLUBのそれぞれに最適な特性に、これも「1knob」を回すだけで調整することが可能です。
■リモートコントロールも
そして「STAGEPAS 1K」にはiOS/Android用アプリ「STAGEPAS Editor」の提供が発売後に予定されており、スマートフォンやタブレットをBluetoothで接続することで、ステージ上や離れた場所から、リモートコントロールすることが可能です。
本体ツマミの全ての操作に加えて、本体には操作子が装備されていないPANのコントロールも可能。さらにシーンメモリも可能なので、セッティング時間の短縮にも貢献するでしょう。ちなみにこのアプリ使用時にも、Bluetoothデバイスからの再生は出来るそうです。
■至れり尽くせり
さらに、専用キャリングケースが付属しており、アレイ部やスペーサーを効率よく収納することが出来ます。
なお、本体重量は23kgありますので、それなりの重量ですが、別売の専用ドリー(台車)も用意されていますので、例えば学校で使用する場合に、体育館や音楽室を頻繁に移動される場合などは必需品となるでしょう。
機能的には至れり尽くせりで、他社製品の不満要素を全てツブした感が満載です。
とにかく、最後発モデルを「世界のYAMAHA」がリリースするワケですから、死角があろうはずがありません。
このカテゴリーの今後の国内シェアを席巻すること必至の製品です。
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