ハードウェアマシンを、DAW上で"全く違和感なく"使えれば、、
と考えることは誰しもあることでしょう。
しかし現実では「単に音を流し込むだけ」「コントロールを操作するだけで音はインターフェース経由」という事が一般的でした。
そんな中、アナログ・デジタルの最前線を走るELEKTRONがそんな夢を叶えてくれました。
それが「オーバーブリッジVSTi」です。
オーバーブリッジVSTi とは?
2015年Frankfurt Musikmesseで発表されだけで、現時点ではまだ提供されていません。
提供は2015年の5月に「パプリックオープンベータ」の形で提供開始する予定です。
この「パブリックオープンベータ」版がどこまでの内容となるか、もしかすると一部機能は提供が遅れるなどもあるかもしれませんが、オーバーブリッジVSTiの構想概要としては以下のとおりです。
- オーバーブリッジVSTiプラグインが無償提供
- オーバーブリッジVSTiプラグインを利用できるのは、AnalogRytm、AnalogKeys、AnalogFour
- DAWで、「マルチトラックオーディオ」と「マシンコントロール」を利用可能
- Windows、Mac対応
つまり、 オーバーブリッジVSTi対応のマシンを持っていれば、全くソフトシンセを扱うのと同じような利用が可能になるという事です。
AnalogRytm、AnalogKeys、AnalogFourの革命
まず以上の3機種をまとめて「Analogシリーズ」と呼ばせていただきますが、 ElektronのAnalogシリーズがどうしてスゴいのかというと、アナログとデジタルが共存していることです。
アナログの良さ、というのは勿論そのサウンド。
デジタルの良さ、というのは細やかなエディティングと正確性。
つまり、音に関わる部分はアナログだけど、制御系にはデジタルを導入することで、 ソフトウェアマシンのような柔軟な操作性とエディット能力を持ちながら、音はアナログということです。
実際、Analogシリーズのエディットはまるでソフトシンセのように多量に存在しており、他のアナログハードウェアではここまで細部までのエディットは不可能です。
オーバーブリッジVSTiによる、待ちに待った未来
かつてない「能力」を実現したAnalogシリーズですが、それだけ強力で巨大なパワーは本体の限られたコントローラーだけで操作するのは中々手間がかかります。
※とはいえ他のアナログ/デジタルハードウェアと比べると2倍も3倍も使い勝手が良いと思いますし、エディットするということのセンスが本当に長けているなぁとは感じさせてくれるマシンではあります。
例えば、オートメーション記録や細かなパラメータエディットとかを「Analogシリーズの"機能"的にはできるんだけど、これをマウス&コンピュータディスプレイで操作できればな」ということですね。
それを実現したものが、 オーバーブリッジVSTi。
作業効率はもう他のハードウェアマシンの一歩も二歩も抜きに出たというわけですね。
それに、アナログサウンドが本当に良い。
この点は既存のソフトシンセは勿論、殆どのアナログマシンでも得られないトップクラスのものです。
そして、そのサウンドをDAW上で、マルチトラックで、USB1本でインプットできるというのは強烈な意味を持つと思います。
シンプルに考えてみても、Analogシリーズのマシンだけで製作したものをDAWへ流し込み、ミックス/マスタリングはDAWで、という作業中にも「やり直し」が何の手間もかからずできる、というのは、ハードウェアマシンの宿命から解放された事といえるでしょう。
また、ソフトウェアだけでは絶対に実現できない「アナログサウンド」が、本当の意味でデジタルと共存したと言えます。
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