RME FIREFACE UCX UFX 802 などの音質

2015/08/10更新:Babyface Pro情報を掲載しました。こちらも合わせてご覧下さい。

 

先日、FIREFACE 802の製品発表会に参加してきました。
それを機会に、ちょっとFIREFACEシリーズを聞き比べしてみようと思い、僕なりに色々感じた事をご紹介してみようと思います。

 

その前に、

FIREFACEって何?という人の為に少しご紹介を。

 

FIREFACEシリーズは色んな意味で非常に高い品質を備えた製品。
音質、使い勝手、機能性、利用時の安定性など、いずれをとっても非常に優れた製品で、世界的に多くのレコーディング環境で愛用されています。

 

例えば、同社RME「Babyface」は質の高いリスニング環境を整えて音楽を楽しむ「オーディオ趣味」の方々に高い評価をされ、一時期は爆発的なセールスを記録していました。
かつて、そして今なおDTM関連ブランドで、「オーディオ趣味」の方々からの人気があった製品は、僕の知る限り、他にはありません。

 

そして、この 「オーディオ趣味の人達から支持を得た」というところが、非常に大きなポイント。リスニング専門の分野では「よりピュアなサウンド」をひたすら追い求める 傾向があり、私たち音楽制作者のような「低音が効いた」とか「ハイファイで」といったような音作りされたサウンドを好まない人達が多いです。
でも、理想的な音楽制作の環境は、「よりピュアなサウンド」であるほうが、後々の再生環境で味付けされる事を考えると好ましい事は明白。ですから、レコーディング専門誌などでは「クリアな音質」という文言が多い訳ですね。

 

そうした 「よりピュアなサウンド」の代表格的なオーディオインターフェースが、FIREFACEシリーズです。

 

 

試聴環境は、こんな感じ

前置きが長くなりましたが、、、ようやく本題に。

 

FIREFACEシリーズはいずれも「ピュア・サウンド」である事は確かな事ですが、その「ピュアさ加減」については、FIREFACEのモデルにより音質差が存在します。
やっかいな事は、その「音質差」が非常に小さいため、聴く人によって感想が若干左右されるという事。

という事で、ここでは私個人の意見で突っ張らせて頂きますね。
なお、ここでの感想は下記の共通環境で、インターフェースだけ差し替えた状態で試してみました。

・Apple Macbook Pro
・Quicktime
・Oyaide D+USB CLASS A
・Genelec 8030A
・再生音源はジャズ、オールドロック、モダンロック、クラブミュージック(ベースミュージック)の4つ

 

ちなみに検証順番は「UFX」→「802」→「UCX」→「UC」です。

 

FIREFACE UFX

UFXを鳴らす前、私個人の愛機「MetricHalo 2882」で再生していました。
2882もケーブルはOyaideなので、ケーブルだけでビックリするくらいの音質差は起きないんじゃないかな?と思うのですが、切り替えるとビックリするくらいの音質差が。。。

まず、良い意味で音が平坦。2882での低域の出方は、僕にとって「気持ちいい音」であって的確に音を捉えられていた訳ではない事を知りました。というの も、テストで利用したクラブミュージックは、実際にクラブでも使用した事が何度もあったのですが、低域の響き方が何か僕の知っている音と違う感じになる なー?という経験をしており、UFXで再生した時にようやくその謎が解けた感じがしました。「あぁ、こんな音でしたか、、」というような。そして、「輪 郭」。一つ一つの音の輪郭、そしてその音の粒・密度が全然違う感じがものすごくしました。例えるならば「2882」が家庭用包丁の切れ味なら「UFX」は 日本刀、という感じ、「UFX」を聴いてからは「2882」がボヤけて聴こえるのです。この実験は、実験内容は大成功でしたが、僕のお財布的には完全失敗 です。。。

 

 

FIREFACE 802

「802」に切り替えて、パッと聴き、それほど大きく変化があったようには感じませんでした。「ピュアサウンド」の異名を持つRMEらしく良い意味での平 坦さを持っており、その点についてはUFXと殆ど違いが無いと思います。ただ、「輪郭の鮮明さ」については、結構違うように感じました。個人的愛機 「2882」よりも輪郭は鮮明だと思いますが、明確に「UFX」には及ばない感じです。
ところで、先日 FIREFACE802 の製品発表会で「FIREFACE800」と「FIREFACE802」を聞き比べ出来る機会がありました。
その際に聴き比べた印象についてですが、「FIREFACE800」はやや中低域が暴れるのに対し「FIREFACE802」はまとまっていた印象を受けました。
ですので、「ピュアサウンド」という意味では強く「FIREFACE802」をオススメしたいですね。

 

 

FIREFACE UCX

「輪郭」「平坦さ」ともに結構落ちた印象が。。。音質のピュアさは中域に若干色がついていて、オールドロックのように中域にオイシイ所が詰まっている音楽 では倍音が暴れるような感じをほんの少し感じました。また、低域はやや強調している感じも。「802」や僕の愛機「2882」の方が低域(特にサブベー ス)の輪郭がはっきりしているので、強調する必要なく明瞭に浮き出てきている、という印象です。ここからは僕の憶測ですが、その輪郭差を埋める為に低域を やや強調させているのかも、なんて思いました。
でもパッと聴き「2882」とほぼ同等。価格と機能性を考えると非常に驚異的ですね。

ところで、個人的に非常に重要なポイントだと僕は考えている「ヘッドフォンアウトの音質」が極めて良質な点がFIREFACEの良いところ。メインアウト とヘッドフォンアウトの音質の差が大きい機材って少なく無いという現機材市場への印象を僕は持っているのですが、FIREFACEはその点、スゴく安心の 機材だとおもいます。

 

 

FIREFACE UC

UCXと非常に似ていますが、UCXで感じた低域の強調が無く、その分ボトム感がごそっと薄くなっている感触を受けました。だからなのか?上品な印象を受 け、ジャズ、オールドロック、モダンロックでは洗練された感じを受けました。でもクラブミュージックでは、んー、物足りない。。と正直。10万円以下の他 社機種よりは遥かに良いのですが、やっぱりUFXから順に聴いてきたのが不味かった。
でも逆に言えばバンドサウンド系での宅録やPCオーディオなど高品位なリスニング環境を構築したい人には非常にオススメ。何度も言いますが、10万円以下の他社機種よりは遥かに再現力に優れており、音もピュア/フラットです。

 

 

という訳で、個人的な意見ばかりで申し訳ないですが、参考の一つにでもなればと。

ちなみに、弊社では「お試しレンタル」 というサービスを実施しており、FIREFACEシリーズを実質無料で一時的にお貸し出しするサービスを行っていますので、もしご興味がありましたら是非ご利用下さいね♪

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9 Comments

  1. 匿名
    2015年8月18日
    Reply

    Babyface PROの音質は、どのレベル になりますでしょうか。

    • CS_MASTER
      2015年8月19日
      Reply

      BABYFACE PROは所々新しいパーツや技術が採用されているので、FIREFACEシリーズなどと相対比較するのが難しいのですが、、、、

      少なくとも当記事のとおりSteadyClockは唯一最新のものが搭載され、またAD/DAに関してはRMEフラグシップモデルの「ADI-8DS MkIII」と同じものが採用されております。
      ちなみに「ADI-8DS MkIIIのAD/DA」はFIREFACE 802でも採用されています。

      僕がSYNTHAXの担当者と話をする中で、BABYFACE PROの音質についてFIREFACE 802やFIREFACE UFXを比較対象としてお話いただくケースも多かったので、クラスとしてもその辺りのレベル?を意識しているようです。

      実際に感覚としてはUCやUCXでほんの僅かに感じられる「雑味」のようなものはあまり感じられない品位でして、当然、従来の「BABYFACE」とはレベルの違うものであり、UCX以上と評価される事もそこそこあるだろうな、と思える内容です。

      すいません、、まともなお返事になっていませんで。。。

  2. 匿名
    2015年8月20日
    Reply

    Babyface PROの音質は、どのレベル になりますでしょうか。(その2)

    私はピュアオーディオ目的で、Babyfaceを使用していますが、音質、SNに不満を持っています。
    オーロラサウンドのバスパワープロを使用しますと、かなり改されますが、SNはまだまだです。音質もけっこう派手なように感じます。
    グレードアップを考えましたが、中途半端な機種は跳び越しUFXを模索しておりましたが、御社のホームページを拝見し、D/Aチップが
    Babyfaceと同じものと知り、躊躇しておりました。
    この度Babyface ploが発売された事により、新たな灯りが見えてきた気がします。なぜなら、RMEの顧客に対するUFXのプライスダウンサービスが実施された事によりUFXの世代交代機種の発売が間近であると考えています。それならば、Babyface
    ploの購入を急ぐことはないのではと考えてしまいます。
    Babyface Ploは価格を考えると非常に魅力的なのですが。…

    • CS_MASTER
      2015年8月24日
      Reply

      恐れ入ります、私がどこかの記事で記述してしまっているのだと思いますが、「UFXとBabyfaceは同じD/Aが使用されている」というお話について訂正させてください。

      FIREFACE UFXとBabyfaceは、同じD/Aを搭載してはおりません。
      記事内容を訂正したいと思いますので、該当箇所をご存知でしたらご教示頂けましたら幸いです。
      (本ブログ内を読み回りましたが、該当箇所を見つけることが出来ませんでした。)

      RME USB/FIREFIREシリーズのAD/DAについて
      Babayface、UC、UCX、UFXはそれぞれに、その機種の為だけのオリジナルAD/DAが搭載されています。
      また、Babyface Pro、802については「ADI-8DS MkIII」と同じAD/DAが搭載されています。
      つまりBabyface Proと802については同じAD/DAになります。

      以上がAD/DAに関する正しい情報となりますので、改めてご検討材料としてください。

      なおUFXの後継?といったお話について、先ほどSynyhaxに確認を致しましたが、近い話としてそうした話は無い模様です。
      これまでの傾向としてもRMEは、他社のように次から次へと新製品を出し、既存製品を早い段階でディスコンにしていく、という事が無く、どちらかというとリリースしてからかなり長い期間製品を継続していく傾向にあるブランドだと思いますので、なかなか信憑性の高い情報ではないかと思います。

      もちろん、メーカーが後継機種があることを非開示情報としているのかもしれませんし、新製品リリースの間隔を今までより早くしてゆくという方向転換をする可能性も考えられますが、私共としてはそうした情報までは受けることが出来ませんので、なんとも言えないところで御座います。お急ぎで無いのであれば、次のNAMM SHOWまでは待ってみても良いかもしれませんね。

      個人的にもBabyfaceは特に低域の解像度が雑な印象であったように思います。
      ピュアオーディオでご利用するには色々ご不満も出るだろうな、、と心中お察し致します。
      ただBabyface ProはBabyfaceとは位が全く異なる製品ですので、ご期待頂いて良い製品だと思います。

      なお弊社ではBabyface Proのレンタルサービスを開始する予定でおります。
      現在はBabyface Proの国内入荷数が非常に少ない状況ですので保留中とさせて頂いておりますが、来月末頃には開始できればな、という状況ですので、ご都合が合うようでしたら是非ご活用ください。
      http://www.sunmuse.jp/shopbrand/rental/

  3. 匿名
    2015年8月22日
    Reply

    Babyface PROの音質は、どのレベル になりますでしょうか。(その2)

    解説をありがとうございました。

    私は、ピュアオーディオ目的でBabyfaceを使用し、オーロラサウンドさんのバスパワープロを併用しております。バスパワー駆動よりはかなり改善されましたが、SNはまだまだと考えています。また、昨年度SYNTHAXよりBabyfaceを下取りするとUFXがかなり廉価なるとの案内がきました。
    UFXの定位が良いと言うのは、より実体感がある聞こえ肩をすると考えており、中途半端な機種よりも、いっそUFXを購入とまで考えました。しかし、UFXとBabyfaceは同じD/Aが使用されているのを御社の記事で確認しました。Babyfaceの音の傾向はあまり好きではありませんん。そろそろUFXも第3世代のスタディクロックを搭載して、新機種に置き換わるのではないでしょうか。Babyface PROの購入をどう考えるか。しばらく静観するのがよろしいかと考えてしまします。

    • CS_MASTER
      2015年8月24日
      Reply

      恐れ入ります、私がどこかの記事で記述してしまっているのだと思いますが、「UFXとBabyfaceは同じD/Aが使用されている」というお話について訂正が御座います。
      FIREFACE UFXとBabyfaceは、同じD/Aを搭載してはおりません。

      上の方への返信でも記述致しましたが、Babayface、UC、UCX、UFXはそれぞれに、その機種の為だけのオリジナルAD/DAが搭載されています。
      また、Babyface Pro、802については「ADI-8DS MkIII」と同じAD/DAが搭載されてるという状況です。

      記事内容を訂正したいと思いますので、該当箇所をご存知でしたらご教示頂けましたら幸いです。
      (本ブログ内を読み回りましたが、該当箇所を見つけることが出来ませんでした。)

      UFXの定位がより実体感のある聞こえ方がするという点については、個人的にその通りだと思います。
      おそらくジャズなどの臨場感までが収録された音源の場合には、Babyfaceよりもずっとご満足いただけるのではないかと思います。
      ただ、Babyface ProもFIREFACE 802と同じAD/DAで、さらに第3世代SteadyClockを搭載している面を考えますと、十分に検討範囲に入る製品ではないかとも思います。

      UFXも第3世代のスタディクロックを搭載するという点についてですが、実は第二世代SteadyClockは現在のところ「UFXでしか」搭載できないものであるようです。
      RMEの見解としては、「デュアルDSPを搭載するUFXだからこそ正しく作動するのだろう」という結論であるそうですが、現実問題としてデュアルDSPを採用すれば、それだけコストパフォーマンスが落ちますし、ラインナップとして他機種をデュアルDSP化する大きなメリットも無い、という判断はあると思います。
      だからこそBabyface Proが登場した、とも考えられるとも思いますし。。

      またクロックやAD/DAというものは学術的/数学的な整合性がとれたからといって、それが必ずしも良音に繋がるものでもないそうです。
      実際には整合性を取りながら最終的には「耳」でチューニングしたりするものだそうで、新クロックを既存製品に移植しただけで良い結果に繋がるかといえば必ずしもそうでは無いそうです。
      つまり、その機種にあったクロックやAD/DAを採用するバランス感覚こそが良音に繋がる重要な要素だそうです。

      メーカーサイドの返事としては、今のところ近い将来にUFXの後継?のようなモデルがリリースされる予定は無い模様です。
      それが信憑性のある話かな、と思いました理由は、以上のようなクロックやAD/DAのことを考えると、なかなかすんなりとはいかないものなのかもなぁ?と思いました次第です。

      とはいえ、Babyface PROもお安い製品とは言えませんので、次のNAMM SHOWくらいまでは待ってみた方が良いかも知れませんね!

  4. pianori
    2015年9月28日
    Reply

    各機種の出音の違い、参考になりました。
    マイクプリアンプの音質について各機種に違いは感じられますでしょうか??ADCの音質と合わせた比較になるかと思いますが、もしわかれば教えて下さい。

    • CS_MASTER
      2015年9月29日
      Reply

      コメントありがとうございます。

      各機種ごとのマイクプリの違い、ございます。
      おっしゃる通りADによるところも影響を及ぼすところですが、それ以前に、BabyfaceProを含めFIREFACEシリーズは各機種ごとにオリジナルのマイクプリが採用されていることもあり、AD抜きにしても違いがあるようです。

      と、ここまで言いながら、私自身がそれらすべての機種のマイクプリを比較試聴したことがなく、正確なお返事を差し上げることもできないのですが、、、
      気持ち程度の私の意見としては以下のような具合になります。

      まず、私が十分に耳にしたことがある機種はUCXとUFXです。
      UFXに関しては、「クラシックの現場でも使える」などと有名エンジニア方より評価される通り、ピュア&クリアなプリとして秀逸だと思いました。
      色つけが無く忠実さに優れ、マイクプリまでのセッティングを意図的に作るような場合の繊細な作り込みも如実に表現してくれると思います。

      なお、このピュア&クリアというのは言い換えると「味がない」ともいえます。
      その「味がない」という方向性の面白みは、マイクやアウトボード、またはDAW上にて好きなように味をつくる事ができる、というところにあると思います。
      そう考えると「味がない機材」に求められる大切な事の一つである「どれほど音に欠損がないか」という点は注視すべきで、これが直接製品のグレード?パフォーマンス?を表す事になるのではないか、と考えます。
      そうした意味合いでは、UCXはまさにUFXの下位互換という印象になります。
      単に「ふくよかさが足りなくなった」といった欠損の話だけで無く、それを補うためとして多少の味付けも生じている印象もあります。(大枠としてはピュアの部類にはあると思います)

      以上が、私的主観です。

      ちなみに私の拙い意見では失礼と思いSynthaxへも質問をしてみましたが、やはり明確な返答を受ける事が出来ませんでした。
      そこでドイツRME本社へ質問を投げかけてくれる流れとなりましたので、もっと良い参考資料などが得られましたら、ここ数日中に追ってお返事させて頂きます。

      • pianori
        2015年9月29日
        Reply

        ご返答ありがとうございます。参考になりました。
        マイクプリを全機種統一しているメーカーもありますが、RMEは機種のグレードが上がる毎にマイクプリもグレードアップしているのでしょうね。

        802はマイクプリ部にも相当力入れているようですね。
        Gainつまみもあるのでかなり良さそうに感じます。

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